歯科受診は健康への関心が高まる機会である。この機会を逃さずに歯科医療従事者が禁煙介入を行うことが期待されている。実際は歯科での介入は不十分でありトレーニング不足が原因であった。卒前教育用と臨床介入用の2つのレイアウトを策定し、プライマリケア向けのWHOの世界標準の介入プログラムの各種モジュールに、バイオフィルムコントロールに関する知見と日本固有の禁煙治療制度の利用のコンテンツ、受動喫煙防止支援のモジュールを充実した。米国の歯科大学・歯科衛生校の事例研究論文を参考に、標準患者を用いたオスキー形式の臨床介入モジュールを検討した。スタンドアローンタイプのプログラムでエフィカシー研究を行い、イフェクティブネス研究のためのウェブ基盤タイププログラムの開発を行った。講義および実習で試用経験から卒前教育・卒後研修の一貫タイプの教育プログラムを必要に応じてプログラムをブラッシュアップした。イフェクティブネス研究の基盤として、 (1)WHO推奨歯科簡易介入プログラムの全体像の把握、(2)歯科医療従事者のタバコ対策とタバコ依存治療における役割、(3)「関連づけ」のための知識をプログラム概要紹介、(4)「質問」と「助言」、(5)禁煙意思の評価、 (6)動機づけ支援・動機づけ面接、(7)簡易禁煙支援STAR、(8)禁煙治療紹介、(9)受動喫煙防止支援MAD-TEA、(10)MCQ問題と自己評価のコンテンツモジュールのプログラムをウェブで公開した。最終年度には成果を国際学会で発表し、世界の研究者と議論した結果、加熱式タバコ等新出のタバコ使用への対応が必要となってきたこと、そして、IOT技術の進歩により、今後多様化していくと思われるWebの新機能(LMS)が禁煙介入のどの教育コンテンツと対応するか、最大限のアウトカムが得られるシステムの開発展開がさらに必要であることが判明した。
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