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2015 年度 実施状況報告書

口腔内環境と歯の酸蝕症の成立に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K11442
研究機関愛知学院大学短期大学部

研究代表者

犬飼 順子  愛知学院大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40319190)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード歯の酸蝕症 / ヌープ硬さ / 表面粗さ / 二次電子像 / 清涼飲料水
研究実績の概要

本研究は清涼飲料の種類と温度がエナメル質表面に及ぼす影響について検討した。
浸漬液はレモンティー、オレンジジュース、乳酸菌飲料を用いた。各浸漬液は冷やして飲む場合、常温で飲む場合、温めて飲む場合を想定し、低温(5℃)、常温(25℃)、高温(37℃)の3種類の温度を調整し飲料の種類と温度の組合せで9種類の浸漬液を調整した。各浸漬液にヒトエナメル質試料各10個ずつを各15分浸漬後、ヌープ硬さと表面粗さを測定した。また、浸漬前後の試料面の二次電子像を観察した。測定結果は飲料の種類と温度を要因とした二元配置分散分析とTukey HSDの多重比較とそれぞれの要因における単純主効果とTukey HSDの多重比較を行った。
ヌープ硬さは飲料の温度により有意差が認められ(p<0.001)、低温よりも温度の高い常温、高温でヌープ硬さが有意に低下したことから歯の酸蝕症は温度が高くなり反応が促進する無機化学反応によると考える。また、表面粗さは飲料の種類により有意差が認められ、乳酸菌飲料はオレンジジュースより表面粗さが有意に高かった(p<0.05)。これは乳酸菌飲料に含有されるCa、Pが脱灰を抑制し、脱灰されやすい小柱間質から選択的に酸蝕され表面に高低差が出現し表面粗さが大きくなったと考える。オレンジジュースは脱灰能の高いクエン酸によりエナメル小柱も同時に酸蝕され表面が平坦となり表面粗さが低くなったと考える。さらに二次電子像はこれらの結果を裏付ける所見であった。
したがって清涼飲料水は脱灰を抑制する成分が含有されるものを選択し、25℃より低温、できれば5℃以下の温度で摂取することが望ましいと考える。また、ヌープ硬さと表面粗さで異なった結果を得たことから歯の酸蝕症の評価は多角的に行うことが有効であると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大型機械の搬入が手間取ったため、当初の計画通りには進められていないが、5年計画の範囲で実行可能な研究から進行させているため。

今後の研究の推進方策

今後は研究に必要な機械が整ったため当初の研究計画を踏まえて軌道修正していく。
そのため、研究計画を緻密に立て、実行していく予定である。
なお、研究結果が得られるたびに小刻みに学会発表をすることで、研究成果を蓄積していく予定である。
本研究を遂行するための課題は、本研究機関は教育を主たる目的で使用しているため、期間内で研究できる設備体制が整えられることである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 清涼飲料水の種類と温度が歯の酸蝕症に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      宮城並季、犬飼順子、竹市幸代、鶴田昌三、向井正視
    • 学会等名
      日本歯科衛生学会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島)
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-19

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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