研究課題
個人識別のための年齢推定の指標の一つとして、下顎角があり、3次元CTを用いた下顎角と日本人の年齢の相関を調査することを目的とする。データ解析は岡山大学に既に設置されている3次元画像解析ワークステーションを使用し、計測者は歯科放射線専門医を含む2名とし、両側の下顎角をそれぞれ2回計測し、その平均値を算出した。平成30年度は各年代の男女別の計測合計数が約100名になるように計測した。体動やアーチファクトを認めた症例は除外され、男性765名、女性795名であった。年代別の下顎角の平均値は男性が0-9歳(28名)127.93、10-19歳(81名)128.354、20-29歳(113名)124.192、30-39歳(97名)124.927、40-49歳(90名)125.122、50-59歳(99名)125.195、60-69歳(99名)125.195、70-79歳(95名)123.129、80-89歳(47名)122.25、90~歳(16名)122.62であった。女性は0-9歳(22名)128.561、10-19歳(66名)126.006、20-29歳(98名)126.367、30-39歳(91名)125.495、40-49歳(96名)129.000、50-59歳(95名)128.844、60-69歳(99名)128.999、70-79歳(97名)125.380、80-89歳(98名)129.448、90~歳(33名)130.379であった。下顎角は新生児において鈍角であるが徐々に鋭角化し、成人で110°~125°を示し、その後は加齢とともに再度鈍角化していくと報告されているが、若年者、成人(青年期)、高年に特徴的な値は見出せず、個人差の要因を強く疑う結果であった。この結果は今後、論文および学会で報告予定である。
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