研究課題/領域番号 |
15K11451
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80264448)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50553153)
蟹江 隆人 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (70152791) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔乾燥症 |
研究実績の概要 |
本研究は,これまで代表者らが行った口腔乾燥ならびに保湿剤に関する一連の研究成果をもとに,リキッド保湿剤とジェル保湿剤を混合して使用するコンビネーション保湿による新規保湿方法を開発し,その有効性について多軸的に評価するものである. 平成28年度は,コンビネーション保湿に必要なリキッド保湿剤とジェル保湿剤の組み合わせの検討と効果的な保湿を行うために必要な条件の検討を行った. コンビネーション保湿に必要な組み合わせについては,市販のリキッドとジェル保湿剤を用いて検討した.まず,リキッド保湿剤7種とジェル保湿剤10種の抗菌性を調査した結果,多くの保湿剤で黄色ブドウ球菌に対する抗菌性が認められたが,カンジダ菌に対する抗真菌性を有する保湿剤は,わずかリキッド保湿剤2種とジェル保湿剤1種であることを明らかにした.そこで,これらのリキッド保湿剤とジェル保湿剤の混合における抗菌性を評価した結果,高濃度の抗真菌剤(アンホテリシンB)と同程度の抗真菌性を有することを明らかにした. VAS値を用いた官能試験を行った結果,保湿剤の主観的評価である味,潤い感,塗りやすさ,総合点など多くの評価項目において男女間でVASの値に有意差が認められ,効果的な保湿を行うためには性差の考慮が必要なことが示された.また,男女ともに総合点と味の評価の間で最も強い正の相関関係が得られたことから,保湿剤を選択する上で味が重要な要因であることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
官能試験を用いた保湿剤の主観的評価を行った結果から,男女ともに全ての評価項目間で有意な正の相関を示したが,中でも総合点と味の評価の間で最も強い正の相関関係が得られ,保湿剤を混合した場合の味についても主観的ならびに客観的評価が必要である. しかしながら,官能試験の結果からは,味,潤い感,塗りやすさ,総合点など多くの評価項目において男女間でVAS値の値に有意差が認められ,今後,保湿剤の主観的評価を行う場合には性別ごとの評価を行う必要性が考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,抗真菌性を有することが確認できたリキッド保湿剤とジェル保湿剤の組み合わせにおける味の評価について,客観的評価として糖度計を用いた測定とVAS蒸散値による主観的評価を行い,両者の結果を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の一部の購入について,研究計画の変更により次年度に購入予定となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画の変更に従って,平成28年度に購入予定だった物品は,平成29年度に購入する.
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