本研究は、戦没者遺骨のDNA鑑定の中で、高度変性資料や血縁の証明が困難なケースの解決を目指し、以下のような研究を行った。南方の遺骨に多い、分解程度の高い資料から母系遺伝をするミトコンドリアDNA型を判定できる方法を作り上げた。また血縁の遠い家族との比較のために、父系遺伝をするY染色体型のデータの種類を増やし、Y染色体の系統推測も含めて、データベースと比較できるシステムを作製した。分解程度の高い資料からY系統マーカーを検出する方法を考案した。特殊な遺伝様式をとるX染色体多型の種類とデータを増加し、複雑な事例に応用した。さらに高度変性資料から有効なDNA抽出法を考案し、実際の鑑定に応用してきた。
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