研究課題/領域番号 |
15K11466
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小林 千世 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (30262736)
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研究分担者 |
市川 元基 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60223088)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 回想効果 / 高齢者 / 前頭葉代謝解析 / 自律神経機能 / 心理状態 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者の回想の効果を脳活動の定量評価、自律神経機能、心理尺度を用いて評価することです。地域に生活する高齢者22名の協力を得て、子供のころのことをを2分間回想してもらい、2分間説明した。回想の前と説明の後に2分間の安静時間を設けた。前頭葉の脳活動と自律神経機能は回想前の安静から回想後の安静までの間測定し、心理尺度は、脳活動と自律神経機能を測定の前後に評価してもらった。 前頭葉の脳活動は、近赤外分光法を用いて前頭葉の血流の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンを測定し、自律神経機能は心拍数とR-R間隔を測定し周波数解析によってLF・HF・LF/HFを算出した。心理状態は、主観的健康観、気分(Visual analog scale)、自尊感情、POMSを用いて測定した。 高齢者が言語や写真による回想刺激を用いて子供のころを思い出すことによって、前頭葉の酸素化ヘモグロビン量が増加し、脱酸素化ヘモグロビン量が低下することが確認された。さらに、回想前に比較して回想。説明・回想後に酸素化ヘモグロビン量は有意に増加し、脱酸素化ヘモグロビン量は回想前に比較して有意に低下した。これらの結果から回想によって前頭葉の活動か活発になることが示された。自律神経機能は、回想枚に比較して回想・説明時に心拍数が有意に増加し、HFが有意に低下したことから交感神経優位になることが明らかになった。心理状態は、不安や緊張、気分状態が改善する得点の変化が明らかになり、回想によって気分が改善すると考えられた。また回想により自律神経機能が交感神経優位となることも明らかにした。これらの成果を、日本看護科学学会及び第6回世界看護科学学会学術集会において報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高齢者が言語や写真による回想刺激を用いて子供のころを思い出すことによって、前頭葉の酸素化ヘモグロビン量が増加し、脱酸素化ヘモグロビン量が低下することが確認された。さらに、回想前に比較して回想。説明・回想後に酸素化ヘモグロビン量は有意に増加し、脱酸素化ヘモグロビン量は回想前に比較して有意に低下した。これらの結果から回想によって前頭葉の活動か活発になることが示された。自律神経機能は、回想枚に比較して回想・説明時に心拍数が有意に増加し、HFが有意に低下したことから交感神経優位になることが明らかになった。心理状態は、不安や緊張、気分状態が改善する得点の変化が明らかになり、回想によって気分が改善すると考えられた。また回想により自律神経機能が交感神経優位となることも明らかにした。これらの成果を、日本看護科学学会及び第6回世界看護科学学会学術集会において報告した。今後英文での論文投稿に向けて、データの分析や考察についてさらに検討しているため、論文での成果報告が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
論文投稿準備を継続して進め、今年度中に投稿する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿スケジュールが変更になったために、2020年度に論文投稿や英文校正に関する費用が必要となったため。
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