研究課題/領域番号 |
15K11467
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
片山 はるみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90412345)
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研究分担者 |
森下 直貴 浜松医科大学, 医学部, 名誉教授 (70200409)
村松 妙子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90402255)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護倫理 / 看護実践 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
H29年度の報告書に概要を示した通り、明らかになった内容を「看護実践における倫理的コンピテンシーの抽出」として第22回日本看護管理学会で発表した。次年度はこの結果を踏まえ、「倫理的ケアのコンピテンシーの統計学的検討(第1報)-ラダーの構成可能性の検証-」として発表予定である。発表内容の概要は以下のとおりである。 A市(地方中核都市)の中核病院の一つであるB病院に勤務する全看護職員(保健師・助産師・看護師)486名を対象とした無記名自記式質問紙による横断研究を実施した。質問紙は年齢、性別、看護職としての経験年数、最終学歴、看護倫理に関する学習経験の有無、所属病棟において身体拘束低減の取り組みをしているかの認識、からなる基本項目、倫理的ケアのコンピテンシー(22項目、5段階リッカート)等から構成された。倫理的ケアのコンピテンシーは4つのコア・コンピテンシーを有しており、それらは「善いケアに関する感性・価値を表現する」「より善いケアとは何かを考えながら行為する」「より善いケアを提供するために間接効果をもたらす」そして「より善いケアの学習に向けて行動する」である。コンピテンシーの合計得点(コンピテンシー得点)から算出した平均点の高低によって難易度が判断された。また基本項目との相関係数を算出した。392名(81%)から欠損の無い有効回答を得た。22項目のコンピテンシーは、最も平均得点が高かった(3.77点)「患者・家族が大切なことを話せる関係性を作る」から最も平均得点が低かった(2.82点)「実践の中から倫理的な研究課題を発見・発信する」の間に分布しており、この2項目間には有意差が認められた(p<0.001)。コンピテンシー得点は、年齢、経験年数、学習経験、取り組みの認識と、有意に正の相関を示した(γ=0.22~0.32)。以上より、ラダーを構成できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一年延長の措置をとったので分析が進み、次年度は最終的な目標達成に至る見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
コンピテンシー・モデルを基にして作成した教育プログラムを実行したのでその評価を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想以上のボリュームのデータが得られたために分析に時間を要したが、今年度分析ができたので次年度はそれを公表する予定である。予定している学会発表以外に、論文執筆予定である。
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