研究課題/領域番号 |
15K11468
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大島 千佳 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30405063)
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研究分担者 |
藤本 悦子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00107947)
間脇 彩奈 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533341)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20509088)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 多層包帯法 / リンパ浮腫 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
リンパ浮腫の治療において最も治療効果を発揮しうる多層包帯法は、睡眠中にも実施可能な治療法であるが、その圧迫感や多層に巻いた包帯による可動制限などから、敬遠する患者が多い。今年度は、健常者を対象としたデータ収集とリンパ浮腫患者を対象としたデータ収集を同時に行い、多層包帯法が睡眠に与える影響をそれぞれ検討した。 ①健常者を対象とした基礎データ収集 20代~30代の健常な女性10名を対象に、睡眠中の多層包帯法を1週間実施し、アクチウォッチにて睡眠状態の変化を継続的に観察した。その結果、多層包帯法開始1日目~2日目においては、中途覚醒回数・入眠潜時などの睡眠状態に悪化がみられたが、3日目以降からは、多層包帯法開始前と同等の睡眠状態へ回復が認められた。夜間帯の多層包帯法による睡眠への影響は、開始直後には認められるが、徐々に回復することが示唆された。 この研究成果は、コメディカル形態・機能学会第14回学術集会にて、「多層包帯法が睡眠に与える影響」として児玉侑紀・高羽杏奈・らが口頭発表を行い、学会奨励賞を獲得した。また、今年度の研究成果を踏まえて、日本看護技術学会第14回学術集会にて、交流セッション「リンパ浮腫ケアの新たなステージー確かな実践に向けてー」を行い、発表者の藤本悦子・大島千佳・竹野ゆかり・間脇彩奈・中西啓介が中心となり、看護職者間の情報交換を行った。 ②リンパ浮腫患者を対象としたデータ収集 40代~80代のリンパ浮腫患者10名を対象に、睡眠中の多層包帯法を1週間実施し、アクチウォッチにて睡眠状態の変化を継続的に観察した。現在、データの解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では、リンパ浮腫患者のみを対象としたデータ収集を行う予定であったが、基本データとして健常者10名のデータも得ることができた。これに加えて、初年度でリンパ浮腫患者10名からデータを得ることができたため、当初の計画以上に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、リンパ浮腫患者に対して、睡眠中の多層包帯法を1週間実施し、アクチウォッチにて睡眠状態の変化を継続的に観察する。浮腫増減の判定は、MRIおよび生体インピーダンス測定(In Body S10:バイオスペース社製)による体水分量・体脂肪量の変化と周囲径の計測による患肢体積の変化で行う。睡眠状況の判定は、アクチグラフ(フィリップスエレクトロニクス社製)による睡眠‐覚醒パターン・寝室内の睡眠環境(温度・照度・湿度)の変化で行う。目標とする症例数が20名であるため、前年度と同様の研究体制を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者一人当たりのMRI実施回数を、被験者それぞれの都合に合わせた結果、当初の計画よりも減ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者の募集人数を増加し、より精度の高いデータ収集を行う。
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