研究課題/領域番号 |
15K11478
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
升田 茂章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80453223)
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研究分担者 |
本田 由美 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10446122)
大坂 京子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (30553490)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 限局性前立腺がん / 排尿障害 / セクシュアリティ / 家族 / 外来看護 |
研究実績の概要 |
限局性前立腺がんの治療には、根治を目的とした前立腺全摘出術と放射線治療(外部照射・密封小線源治療)、治療タイミングを見計らう待機療法がある。治療方法の違いにより、副作用、特に排尿障害やセクシュアリティに関して、患者と家族の治療後にたどる経過は異なる。本研究は、限局性前立腺がんと診断を受けた患者と家族に対し治療後の排尿障害やセクシュアリティの変化の予測を含めた治療方法選択を支える外来看護ケアガイドラインを開発することを目的とした研究である。 前立腺全摘除術、放射線治療、待機療法を受けた限局性前立腺がん患者の治療選択の際の不安や困惑、排尿障害やセクシュアリティ等気になった症状、治療選択への関わり等、看護ケアの実際について明らかにするために以下のように研究をすすめた。 1.限局性前立腺がん患者への外来および病棟でのケアについて文献検討を行った。先行研究からケアの実際を明らかにするために看護師・患者用のインタビューガイドを作成した。 2.病棟および外来の限局性前立腺がん患者をケアしている看護師、限局性前立腺がん患者(家族)に対して、インタビューを実施するために、研究者が所属する研究機関の倫理審査委員会に申請し承認を受けた。 3.前立腺がん患者と家族への外来(病棟)での看護ケアについて 外来および病棟で限局性前立腺がんの患者へケアを行っている看護師に対して、インタビューガイドを用いて半構成面接法でインタビュー(60分程度)を実施した。今後継続してインタビューを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象者に関して、外来看護師のみをインタビューする予定であったが、治療開始前にかかわっている看護師として病棟看護師も対象者とした。今年度、質問紙調査を予定していたが、具体的な状況を含めた看護ケアの現状を把握するため患者と看護師からインタビューを実施することに計画を修正した。 今年度の目標である「前立腺全摘除術、放射線治療、待機療法を受けた、限局性前立腺がん患者の治療選択の際の不安や困惑、排尿障害やセクシュアリティ等気になった症状、治療選択に関する看護支援についてインタビュー調査を行う。限局性前立腺がん患者が治療方法選択の際に重視していることと治療前の看護ケアの現状について明らかにする。」については現在インタビューを進めており、おおむね予定通り研究が遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年4月~平成29年3月 データ収集と分析 現在実施している看護師へのインタビューを継続していく予定である。並行して「限局性前立腺がん患者の家族に対し、治療選択の判断理由、患者との話し合いの程度等、治療までの工夫や対処、看護師が提供した看護ケアについて明らかにする」ことを目標として患者へのインタビューを実施する予定である。 平成28年6月~10月 待機療法が選択されることが多い諸外国における前立腺がん患者と家族に対する治療選択時の看護ケアの現状について、文献検討及び国際学会において諸外国の文化的特徴を踏まえ現状調査を行う。諸外国の看護師の意識や姿勢、患者と家族のニーズについて明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた対象施設との調整が難しくなり研究対象施設を変更した。そのため旅費金額に変更が生じた。また、1年目に実施する予定で計画していた質問紙調査をインタビュー調査に修正し変更したため、人件費・印刷費等に差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度Chiang Mai, Thailandにおける学会(Optimizing Healthcare Quality)で「Supportive Care Regarding Treatment Selection for Localized Prostate Cancer in Japan」の発表および限局性前立腺がん患者へのケアに関する意見交換をする予定である。
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