研究課題/領域番号 |
15K11483
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
安岡 砂織 東邦大学, 看護学部, 講師 (80459817)
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研究分担者 |
矢野 久子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00230285)
酒井 謙 東邦大学, 医学部, 教授 (10215585)
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 教授 (20236558)
金子 典代 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (50335585)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 短期型透析用カテーテル / カテーテル関連血流感染症 / 感染予防の技術 |
研究実績の概要 |
本研究は、平成24年度採択(基盤(C)24593255) 「皮膚細菌侵入による透析用カテーテル関連血流感染予防のための管理方法の開発」の継続研究である。我々はこれまでの研究成果として、短期型透析用カテーテル関連血流感染率は4.2(per 1,000 catheter day)と高率であり、血流感染症を発症するとカテーテル抜去1年後の生命予後に有意差があること(p< 0.05)、留置期間(5日未満)ではCRBSI発症リスクが2.6であることを明らかにした。更に、CRBSI発症の伝播経路推察の結果、検出菌種は表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌であった。同一菌種が検出された2名をpulsed field gel electrophoresis:PFGE 解析した結果、1組は同一株(類似性100%)、もう一組は不一致株(類似性42.9%)であった。以上の結果から、これを予防するためには、カテーテル留置時の医療従事者のMBP遵守や患者の皮膚ケアの徹底が重要と示唆された。 そこで本研究では、多施設における短期型血液透析用カテーテル関連感染の感染要因、伝播経路を明らかにすることで、生命予後にまで影響を及ぼすこの短期型血液透析用カテーテル関連感染予防のためにシステムを構築していくことを目的とした。 本年度は、これまでの研究成果の発表と多施設での短期型血液透析用カテーテル関連感染予防のためにシステムを構築のための準備を行った。研究実施にあたり、所属部署の倫理審査委員会への申請、承認を得た。この間、研究対象施設の選定を行い、3施設(A・B・C)のフィールド調整を開始し、全施設の倫理審査委員会への申請を行った。そのうち、A施設の承認(3月)を得た。B施設は条件付き承認、C施設は再審査のため書類を作成し、申請準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属部署の倫理審査の承認までに7か月を要した。その後、対象施設への倫理審査申請となった。3施設中2施設は年度明けから順次調査開始を予定しているため、進展している。
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今後の研究の推進方策 |
A施設については、4月から研究調査を開始する。B施設は、倫理審査の申請(4月)を行い、承認後から研究調査開始(6月ごろ)に向けて進めている。C施設についても倫理審査の申請を行い、次年度中の開始に向けて進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該部署,研究協力施設の倫理審査の承認が遅延したことで、研究調査を開始できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
計画された研究方法にて順次調査を開始していく。第一研究は、透析用カテーテルを留置した患者と医療従事者を対象とする。調査方法:①患者情報(カテーテル挿入目的・栄養状態・腎機能・炎症反応・細菌培養の結果)を診療録調査、②カテーテル挿入前の清潔ケア実施の有無を診療録の調査、③カテーテルを挿入時の医師の感染予防行動と消毒方法を構成的観察法調査、④カテーテル挿入後の皮膚観察の有無を診療録調査、⑤カテーテル関連感染症例の判定する。第二研究は、透析用カテーテルを留置した患者を対象とする。調査方法:①カテーテル挿入部皮膚からの試料採取、②感染例において臨床検体で血液培養・カテーテル先端部から分離された菌株の譲渡を行う。調査に伴う試料採取、輸送、実験(試料からの細菌分離・同定など)により消費されると考えている。
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