研究課題
褥瘡はその発生を予防することが重要であり、予防ケアでは看護が重要な役割を担っている。褥瘡発生要因は局所の虚血であるが、褥瘡好発部位である足部・下腿部は、体幹とは違い、外気温や被覆状態などの周囲の環境(温度・湿度)による温度変化を受け、血流の増減が生じやすい。本研究は、褥瘡発生リスクが高い長期臥床高齢者を対象とし、寝床内気候と足部・下腿部の血流にどのような関係があるかを検討し、足部・下腿部の血流を維持する看護ケアを考案することを目的としている。そのため、平成30年度は、平成29年度に行った被覆用具の検討結果より、二重構造の靴下を着用することによる足部温度・血流の変化を確認した。成人女性および、入院中の高齢者を対象とした結果、靴下を着用した際に温度変化は確認されたが、血流の変化は個人差が大きかった。また、布団による被覆とは温度の変化が異なっており足部血流維持のケアにおいては、個別性を考慮した被覆方法を検討していく必要があることが明らかとなった。