研究課題/領域番号 |
15K11498
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福島 芳子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (30737200)
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研究分担者 |
冨澤 登志子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70333705)
伊藤 浩 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20360357)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 放射線診断看護 / 高度実践看護 / アクティブ・ラーニング / グローバル |
研究実績の概要 |
関連研究の調査から、放射線診断の検査に関わる臨床看護師の多くは、患者とその家族への説明の実施や検査の補助を実施しているが、意思決定支援には至っていない。また、職務遂行にあたって、自身の防護策の実行や、同職種へ指導できる能力は兼ね備えていないと、医療チームから評価されていることが明らかであった。 一方で、放射線専門看護師を目指す修士学生や、学会認定である「インターベンションエキスパートナース(Intervention Nursing Expert;INE)」や「核医学診療看護師」認定者においては、医療チームの調整役として、他職種とも連携をし、患者の円滑な治療および看護を展開したり、放射線診断の際の患者および看護職の防護方策研究に取り組んでいる看護師がおり、学会認定者が優先的に放射線科業務に配置されるなど、高く評価されていた。今後、医療チームの中での役割を明確化していくことにより、チームのリーダーとして活動することが期待できると考えられる。 米国看護師では、放射線に関する専門的知識と技術を根拠として、科学的判断と倫理的判断のもとに擁護者として他の医療職者に改善を働きかけるなど、高度実践看護の専門性が確立されていたが、日本の認定看護師へのプレ調査では、「倫理調整」に関する専門的な役割の明確化はされていなかった。また、「コンサルテーション」に関しても、日本の臨床現場では、放射線専門看護師として主体的に関与できるシステムがほとんどなく、今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属機関移動に伴い、研究倫理審査委員会の申請要件を満たすための研修参加及び申請承認手続きを改めて開始することとなり、本調査開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
放射線診断外来看護における高度実践看護の専門性のうち、「倫理調整」および「コンサルテーション」についての役割をより明確にしていくため、インタビュー調査数を増加する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の異動に伴い、研究倫理審査委員会への申請手続きおよび研究分担者への予算分配・各機関での予算執行手続きに時間を要し、予定していたインタビュー調査や研究結果分析検討に関する旅費の執行が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビュー調査は、プレ調査結果より予定数を増やす必要が生じ、次年度、研究倫理審査が終了次第開始する。
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