研究課題/領域番号 |
15K11506
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内藤 知佐子 京都大学, 医学研究科, 助教 (10405053)
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研究分担者 |
伊藤 和史 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10741928)
谷口 初美 九州大学, 医学研究院, 教授 (30295034)
任 和子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40243084)
内海 桃絵 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40585973)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シミュレーション教育 / ファシリテーション / ディブリーフィング / 指導者 / 人材育成 / 看護教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、シミュレーション教育における質の高いファシリテーターの育成プログラムの構築である。時代の変遷とともに、求められる指導者像にも変化が生じている。価値観が多様化する現代においては、寄り添い学びを支援する支援型の指導者が求められている。また、教育の世界においては「21世紀型スキル」が注目されており、単に知識を有するだけでなく、その知識を活用して価値観や考え方の異なる他者と協働し、課題を発見しながら解決していく能力の重要性が高まっている。そして、これらの能力を引き出す手法として脚光を浴びているのがアクティブラーニングであり、主体的な学び、対話的な学び、深い学びを具現化するために求められているのが、ファシリテーションスキルである。指導的立場にある現代の教員や指導者らに求められる重要なスキルの一つとなっている。 平成29年度は、前年度に引き続きスキル&チップスの収集に向けて指導者の育成を推進するとともに、指導者の質向上に重点を置き取り組んだ。指導者育成コースについては計48回開催し、院内外から計227名の受講者が参加した。その他、学会や講演などの機会を通して、総計400名以上の方にシミュレーション教育およびファシリテーションに関する知識とスキルを提供することができた。 指導者に求められる知識やスキルについては教材化し、クラウドコンピューティングシステム「Knowledge-Drive 4.0」にアップするとともに、順次新たな教材を追加している。 また、ハワイ大学のシミュレーションセンターにて開催されたファカルティのためのシミュレーション教育に参加し、国内外から集まったシミュレーション教育の専門家らと意見交換をしたほか、指導者育成コースの一部を提供することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、前年度のハワイ研修での学びをふまえコースをブラッシュアップするとともに、引き続き指導者の育成に重点を置き取り組んだ。予想以上の反響があり、全国から開催を求める声が多く、数多くのコースを提供することはできたが、学会発表するには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、開発したシミュレーション教育におけるファシリテーター育成プログラムを学会発表および論文化するとともに、全国に向けて発信できるよう院内外でのコース開催を予定している。 また、平成29年度にハワイ大学にて学んだトレーニング手法を、院内外の研修にて提供予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度はコース開催の依頼が近隣から多く寄せられたこと、他のコースと同時に開催したことなどもあり、旅費が予想よりも少額で済ますことができた。ただし、コース開催の依頼は未だ続いている。そのため、残額を有効に活用できるよう繰り越し、全国にてコースを開催するほか、学会発表や論文化を進め広く還元できるようにする。
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