研究課題/領域番号 |
15K11507
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
楠元 裕佳 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (10347106)
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研究分担者 |
八代 利香 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50305851)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | へき地 / 看護職の派遣 / 看護職支援 / へき地医療拠点病院 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、3段階の研究によりへき地診療所へ派遣される看護師対象の教育研修プログラムのコアとなる教育内容・支援内容を明らかにすることである。第1段階として全国のへき地医療拠点病院に対し、へき地診療所への看護師派遣の実態及び課題を明らかにするための調査を実施した。全国のへき地医療拠点病院の看護部責任者等294人を対象に自記式調査票を郵送し、回収率は21.8%であった。SPSSで統計処理を行い、自由記載は、内容分析してカテゴリー化した。29.7%がへき地の看護職支援を行っており、支援内容は派遣と研修・相談であった。支援の役割と必要性については、それぞれ93.7%と93.8%が「ある」と回答した。また、17.2%が無床診療所に看護職を派遣しており、その内、派遣前研修(オリエンテーションを含む)は63.6%が実施していた。看護職派遣の課題には【人員不足等よる支援困難】【連携および支援体制の整備の難しさ】【へき地医療の情報・知識の少なさ】が挙げられた。へき地医療拠点病院の看護管理者は、へき地に対する役割や支援の必要性を認識し、その支援に取り組む意思も示されたが、第11次へき地保健医療計画策定以降も看護職を派遣している施設が増えているとは言えず、医師派遣と比べ支援体制は十分でないことが示唆された。へき地の看護職派遣のシステム作りには,へき地医療拠点病院に勤務する看護職が常にへき地医療・看護と関わりを持つような働きかけが重要となる。国や行政が積極的に介入し,看護職派遣を見越した人員配置と,派遣を含めたへき地への支援をシステムとして整えていくことが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1段階の調査から多くのデータが得られ、分析・解釈および論文作成に時間がかかった。また、研究以外の業務が重なったことも、やや遅れを招いた。
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今後の研究の推進方策 |
第1段階のへき地診療所に派遣される看護職の実態と課題の論文作成を終えたため、H29年度は成果報告を行う。 成果から明らかになった課題に関しての調査も検討していく。 第2段階のへき地診療所等に派遣経験のある看護職に対する面接調査の準備を進め、実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
①計画していた基礎調査等の中止や変更があった。 当初、課題に関係する学会に参加予定であったが、交通機関の欠航やネットLIVE配信が可能となった学会もあった。また、へき地(離島)の医療職者より直接、情報収集するよう準備したが、交通機関の欠航により中止となった。その後も紹介者等との都合とスケジュール調整が上手くいかなかった。 ②第一段階の分析・解釈に時間がかかり、第二段階に進まなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
①第一段階の調査を終え、分析・解釈を終えた。その成果を学会や学会誌等で発表する。 ②へき地に関する基礎調査を継続して実施する(文献収集、へき地の医療職者からの情報収集、へき地に関連する学会参加等)。 ③第二段階のへき地診療所に派遣経験のある看護師への面接調査の準備と実施。
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