研究課題/領域番号 |
15K11508
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
三上 智子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (70452993)
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研究分担者 |
上村 浩太 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (00381278)
松浦 和代 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10161928)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小児看護OSCE |
研究実績の概要 |
本研究の平成27年度計画では、2つの目的に向かって研究活動を行った。1つ目は、日本看護系大学協議会会員校を対象として、小児看護OSCEの実態ならびに研修会開催に向けたニーズを調査することである。2つ目は小児看護OSCEのホームページを開設し、ネットワークを構築することである。 1つ目の調査では、平成27年11月から12月にかけて自己記入式調査票を用いたアンケート調査を実施した。調査票の回収数は92、回収率は37.2%、有効回答数92、有効回答率100%であった。結果は、小児看護OSCEを実施している施設は92校中8校で8.7%であった。今後にOSCEの取り組みを予定している施設は、25校で29.8%であった。OSCEを実施する際に難しいと感じていることは、模擬患者養成が最も多く、他に評価方法や課題・シナリオ作成があげられていた。また、研修会開催に向けたニーズとして、63.0%が研修会への参加を希望していた。研修会の開催時期は8月が最も多く、次いで3月、9月の順であった。研修会の内容については、27校から具体的な要望があった。その内容は「課題・シナリオの作成方法や評価指標・評価の作成方法について学びたい」「OSCEの具体的な実践方法について知りたい」「OSCE実施前後での学生の実習成果の差など、情報提供して欲しい」、「模擬患者の養成について具体的な方法を知りたい」「OSCEを取り入れるにあたり、カリキュラム全体を通して事前に準備することや考え方を学びたい」等であった。 2つ目のホームページについては、平成27年3月末に札幌市立大学看護学部小児看護学領域オフィシャルサイト「小児看護OSCE」として開設した。ホームページでは基本的なOSCEに関する知識を公開し、OSCE課題についてはピアレビューを目的として、双方向の会話ができるような設定とした。今後、広報して活用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の平成27年度計画は、当初の計画に沿って順調に進んでいる。 まず、小児看護OSCEの実態ならびに研修会開催のニーズ調査は、アンケート調査を終え、研修会を開催するにあたってニーズを調査することができた。 次に、ネットワークの構築に関しては、小児看護OSCEのホームページを開設した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成27年度の結果を踏まえて、小児看護OSCEの研修会を開催する予定である。その内容は、小児看護OSCE課題の作成方法の基礎的理解、小児看護OSCEの企画・運営・評価方法の基礎的理解、小児看護OSCE課題のシーズ収集である。 また、平成27年度に開設したホームページは、全国の大学教員とOSCE課題についてピアレビューできるようにネットワークを維持、小児看護OSCEを実践できる大学が増加していくための支援を継続的に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
小児看護OSCEの実態とニーズ調査では、調査票回収のために受取人払郵送料を活用し、経費をおさえた。また、データの入力や資料の整理に研究補助を雇用したが、研究補助の作業スピードが速く、経費が削減された。 ホームページの開設にあたっては、2社見積もりを行い、安価で技術力の高い業者を使用した。そのため経費削減につながった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の研修会の開催、平成29年度の小児看護OSCEの実施で使用する予定である。具体的には、研修会で使用するDVDの作成、模擬患者をゲストスピーカーとして研修会へ招聘する費用等である。また、研修会でピアレビューしたOSCE課題を札幌市立大学OSCEで実施・評価するため、全体評価会も開催する予定である。
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