研究課題
口腔、鼻腔、気管内の吸引は臨床現場において頻繁に行われ、この吸引技術の良否は生死に関わる問題となる。口腔、鼻腔内より深部の気管内吸引は直接観察できる部位ではないため、技術指導に困難が伴い、気管内が観察できた状態での指導が望まれる。本研究では赤外線 モーションセンサを使用し、画像処理装置によって表示される口腔、鼻腔、気管内に向けて、吸引カテーテルを動かすと、吸引カテーテルの動きに応じて、仮想内視鏡画像で観察できるシステムを構築した。モーションセンサを用いることにより、30 インチの TV 画面に表示された腔内画像に向けてカテーテルの先端を動かすだけでリアルタイムに操作することが可能となった。また、ドレーンの先端の色は白いほど反応が良くなることを発見した。吸引用カテーテルは 14Frのものを使用した。吸引カテーテルの先端位置、動きはモーションセンサで確認し USB 経由で PC へデータをリアルタイムに送る。仮想内視鏡画像の上下左右への方向転換、前進、後進運動のコマンド処理に本データを使用し、腔内の移動観察が行えるようにした。ドレーンの中心位置をセンサでデータ収集し、ドレーンの動きをもとに比例関係でディスプレイ上の動きを計算し、カーソルを動作させた。ドレーンの侵入後退もドレーン先端の動作データを収集し、侵入、後退速度を決定した。また、ドレーンの振動により過剰なブレが生じるため、揺れを防止するためのプログラムを追加した。ドレーンの先端位置の大きな変動をトリガーとして操作スイッチを ON となるように、そして、再度の大きな変動で操作スイッチをOFFとした。このような改良改善を経て、カテーテルを操作することにより、安全かつ非侵襲的に看護学生が実践に近い状態で、気管内吸引技術を習得できる教育システムを構築することができた。
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J Xray Sci Technol
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日本放射線技術学会雑誌
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https://doi.org/10.6009/jjrt.2017_JSRT_73.5.389