研究課題/領域番号 |
15K11511
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
松田 安弘 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (10290545)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
中山 登志子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (60415560)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 研究指導 / 指導過程評価 / 看護学修士論文 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
修士論文の完成に向けて研究指導を行う教員が、自身の研究指導の質を改善・向上されるためには、教員の視点にとどまらず、研究指導を受ける学生の視点をも指導に反映させる必要があり、開発を目ざす『研究指導評価スケール-看護学修士論文用-』はそれを可能にする。平成27度は、開発を目ざす『研究指導評価スケール-看護学修士論文用-』の基盤となる質的帰納的研究の実施計画と調査に向けた質問紙の作成を行った。 1.看護学修士論文完成に向けた研究指導の質向上に活用できる「研究指導評価スケール」と「研究指導改善ガイド」の開発に向け、その第1段階として、スケールの質問項目の基盤となる「研究指導に対する評価基準」を解明する質的帰納的研究の研究計画を立案した。また、この研究に用いる調査紙を作成した。具体的には、研究責任者と2名の研究分担者による会議を7回開催して研究計画を検討し、研究計画書と質問紙を作成した。 2.群馬県立県民健康科学大学研究倫理審査の申請を行い、平成27年8月31日に許可を得た。(県科大倫第2015-15号) 3.1により作成した質問紙の内容的妥当性を検討するため、便宜的に抽出した76名を対象に、約6ヶ月間にわたり予備調査を実施した。本調査に用いる質問紙の作成に向け、研究責任者と2名の研究分担者による予備調査の結果を検討する会議を2回開催した。検討の結果、現実の教員の指導に関わる行動が明瞭に回答されるように、教員が提供する指導に対する大学院生の評価基準を問う質問を一部修正した。また、対象特性を把握するための質問項目及び選択肢を一部修正した。 4.3の予備調査の結果を反映させた質問紙を完成し、本調査の対象者をリストアップした。平成28年度は、便宜的標本抽出法により抽出した看護系大学院修士課程の修了生に調査協力を依頼し、300データの回収を目標にデータ収集を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するために、Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析と、看護教育学における測定用具開発の手順に沿って『研究指導評価スケール-看護学修士論文用-』を開発する。1名の研究分担者は、これらの開発者であると共に、様々なカテゴリシステムの開発や質的帰納的研究を基盤とした測定用具開発の豊富な経験と実績を有する。 また、看護教育学に関わる豊富な知識と実績を有する。これに基づき、複数回の会議を通して、「研究指導評価スケール」の質問項目の基盤となる「研究指導に対する評価基準」を解明する質的帰納的研究の研究計画を具体的に立案できた。また、もう1名の研究分担者は、大学院修士課程の学生を対象に、授業過程に対する評価基準を質的帰納的研究により解明した経験を持つとともに、質的帰納的研究の成果を基盤にした測定用具開発の豊富な経験と実績を持つ。これに基づき、尺度開発に必要なデータを収集するための質問紙を作成でき、これを用いた予備調査を実施できた。 さらに、看護教育学研究の方法論を用いた質的帰納的分析の複数の経験を有する研究代表者が、平成27年度の実施計画を予定通りに進めていくために、研究分担者と密に連絡をとり、進捗状況やその成果、課題を共有し、それを記録に残して計画の遂行状況を可視化した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に実施したように、研究責任者と研究分担者による会議を頻繁に開催し、研究計画を具体化するとともに、当初の計画が円滑に進むように、進捗状況やその成果、課題を共有しながら研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.「人件費・謝金」のうち、研究補助として予算化していた文献のデータ化及び資料整理、予備調査のデータ入力等は、研究代表者が実施したため、当該助成金(残額)が生じた。 2.「その他」のうち、専門家会議として予算化していた会場費等は、研究責任者及び研究分担者が所属する大学で実施したため、当該助成金(残額)が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
1.「人件費・謝金」のうち、今年度の残額となった研究補助に関する助成金を、次年度に計画している本調査により収集するデータ数が増える見込みがあり、データ整理、データ入力、分析結果の整理に充当する。 2.「その他」のうち、今年度の残額となった会議に関する助成金を、次年度に計画している調査依頼先の数が増える見込みがあり、調査依頼のための旅費として充当する。
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