研究課題/領域番号 |
15K11513
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80259431)
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研究分担者 |
滝下 幸栄 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (10259434)
松岡 知子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90290220)
山本 容子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00321068)
室田 昌子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80610641)
柴田 明美 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (20733538)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 退院調整 / 退院支援 / 在宅ケア / 継続看護 / 病棟看護師 / コミュニケーション / 退院調整看護師 |
研究実績の概要 |
在宅ケアを推進するためには、病棟看護師の退院調整スキルを向上するプログラムの開発が必要である。まず、現行の退院調整看護師養成の研修プログラムの情報収集を行うとともに、病棟看護師がどのように退院支援を行い、退院支援にどのような困難を抱いているのかに関する病棟看護師の退院支援スキルの実態を明らかにした。 大学病院に勤務する病棟看護師507名を対象に自己記入式の調査票を配布、留め置き法で回収した。有効な回答が得られた436名(有効回答率86%)を分析対象とした。看護師の平均年齢は33.9±9.3歳であった。退院支援経験では、あり33%、以前あり25%であった。退院支援において困難を感じた経験では、ありが77%、退院調整看護師に64%の病棟看護師が相談していた。また、退院支援に必要な知識では、介護保険の対象年齢や申請窓口について理解しているものの具体的な内容については曖昧であった。退院支援に必要な看護実践では、主介護者の介護能力と家族メンバー及び関係性、患者を支援する友人などを理解し、在宅生活を想定した患者のセルフケア能力に応じた援助は実施していたが、患者の経済状態や退院後に必要な看護は約50%、在宅療養の必要物品の準備や退院前合同カンファレンスの準備と進行は約30%、在宅生活を可能にする生活に必要な支援計画や在宅療養支援は約20%の実施にとどまっていた。退院支援に必要な姿勢では、患者・家族とのコミュニケーションを大切にし、患者・家族を共に支える援助を心掛けていた。 さらに、退院支援を行う上での困難として、医師の退院支援の対応の遅さや説明不足、患者と家族の思いのずれ、などを挙げていた。以上のように病棟看護師の退院支援スキルを知識・実践・姿勢の側面から検討することができた。そして、これらから病棟看護師に対する退院支援の教育の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
看護基礎教育および看護継続教育の退院調整スキルを向上するプログラムの中で、看護基礎教育におけるプログラムの1年生、2年生の情報収集ができている。また、看護継続教育においては退院調整看護師養成の研修プログラムに参加して、情報収集を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、看護基礎教育におけるプログラムの3年生および4年生の成人看護学実習における病棟看護師の退院支援スキルを習得するためのプログラムを作成する。また、看護継続教育における病棟看護師の退院調整スキルの教育プログラムの作成のため、退院調整看護師を対象に面接調査を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者が他の行事と重なり、学会参加ができなかったため、旅費の支出が少なくなった。研修会が京都市内で開催されたため、旅費の支出を抑えることができた。計画していた統計ソフトなどの消耗品を次年度に計画変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
調査の打ち合わせや学会発表などで旅費の支出を計画している。統計ソフトの購入を行う。
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