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2015 年度 実施状況報告書

自己調整学習サイクルモデルによる看護技術学習支援システムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K11518
研究機関愛媛県立医療技術大学

研究代表者

徳永 なみじ  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (90310896)

研究分担者 相原 ひろみ  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (10342354)
佐川 輝高  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (90162320)
金澤 知典  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (50777133)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード自己調整学習 / 時間外学習 / 基礎看護技術
研究実績の概要

本研究は、自己調整学習支援システムの構築と教育実践への導入・評価を目指しており、平成27年度はシステムの構築に先立って、導入前の現状分析と課題の明確化を目的とした調査を行った。
【方法】対象:看護学科1年生75名 内容:自己調整学習方略尺度(以下SR)、達成目標、特性的自己効力感尺度(以下SE)、独自項目 分析:授業前後およびSE得点群別での比較(Mann-Whitney U test, P<.05, SPSS17.0J)SE得点群は、授業前後をそれぞれのSE平均得点を基準に高得点群と低得点群に分けた 倫理的配慮:研究者所属施設倫理委員会での承認を受けた
【結果】授業前後比較では、いずれの項目にも有意差はなかった。SE得点群別比較では、授業前の努力調整方略とプランニング方略(z=2.046/p=.041, z=2.681/p=.007)、授業後の努力調整方略(z=2.104/p=.035)と独自項目「難しい技術でもできるようになるまで練習する」「練習で疑問に思うところができたら解決しようとする」(z=2.297/p=.022, z=2.123/p=.034)で、いずれも高得点群が有意に高かった。両得点群別での授業前後比較では、高得点群では授業前後に有意な差はなかった。低得点群では、授業後にプランニング方略が有意に高くなり(z=2.257/p=.024)、「難しい技術でもできるようになるまで練習する」(z=2.335/p=.020)とSE得点(z=2.897/p=.004)が有意に低下した。練習で工夫したことの自由記述では「練習を繰り返す」「他者の技術や手本と照らし合わせる」「測定方法や解剖等の基礎的知識を確認する」他、9つが抽出された。
【考察】現状の時間外学習環境は自己調整学習方略の習得を促すとは言えず、当システム開発の必要性が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度の実施計画は、①質問紙を作成し、システム導入前の授業について、学習者に対する自己調整学習の支援成果を測定する、②認知領域の学習支援に用いる教材(資料やLMSなど)を作成するである。①については、以下のア~ウについて実施し、成果を第26回日本看護学教育学会学術集会で発表予定である(演題登録中)。ア.自己調整学習の支援効果を測定する質問紙案の作成を行った。質問紙案の作成には、研究代表者と同じ所属先で看護技術教育を担当している教員の意見を反映させ、回答方式と質問紙構成は、リッカート5択で回答を求める設問20~30問と、自由記述の設問を2問程度設けた。回答所要時間が15分以内になるよう調整した。イ.質問紙の完成:看護学科2年次生の研究協力者にプレテストを行い、分析結果から質問項目を精選し、完成版とした。ウ.導入前の授業評価:基礎看護方法論Ⅱ【バイタルサイン】(専門科目:1年次後期前半)において、例年通りの授業を行い、質問紙を用いて血圧測定技術に関する自己調整学習の支援状況を評価した。回答は量的に分析し、自由記述の回答は質的な分析を行った。成果は、演題登録中の学会で発表予定であり、順調に進められていると考える。
②については、認知領域の学習支援用に、これまで授業で用いていた技術評価表や筆記テストのプールから作成した。作成した資料をシステムのパソコン内に格納する予定であったが、活用予定のパソコンが故障したため、新しく購入する必要が生じ、次年度購入し、格納できるように整える予定である。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、①平成27年度に実施した現状調査を引き続き行い、システム導入前評価を行う。②平成27年度に作成した資料を、システムのパソコン内に格納し、認知領域の学習支援のベースを整える。③精神運動領域の学習支援に用いるDVD教材(教員の血圧測定技術)を作成する。④ビデオカメラの活用、シミュレータの使用ができるよう物理的なシステム環境を整備する。⑤LMSを導入し、資料や動画教材などのコンテンツを使用できる状態にする、ことを予定している。
平成29年度は、①学習到達度を総合評価する「看護技術習得度自己評価ツール(血圧測定版)」を作成する。②学習者の試用によるシステム全体の整合性の確認。マニュアルを作成する。③看護技術学習支援システムを導入した授業を実施する。④導入後評価のための調査を行うを予定している。
平成30年度は、①看護技術学習支援システムを導入した授業を実施する。②導入後評価のための調査を行う。③看護技術学習支援システムの効果検証と公開を行うを予定している。

次年度使用額が生じた理由

次年度のコンテンツ制作にかかわる物品を購入予定であったが、動画の構成や画質などについて検討が必要になったため、購入を保留にした物品があり、予定額より低額での執行になった。

次年度使用額の使用計画

次年度、動画の構成を再検討し、延期していた物品の購入を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A大学看護学生の時間外看護技術練習の現状と課題(第一報)-自己調整学習支援システムの構築に向けて-2016

    • 著者名/発表者名
      徳永なみじ、相原ひろみ、佐川輝高、金澤知典
    • 学会等名
      日本看護教育学会第26回学術集会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都)
    • 年月日
      2016-08-22 – 2016-08-23

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公開日: 2017-01-06  

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