前年度までに改訂が進んだ部分であるコアとなるCBTの実施と採点部分の運用実績を積み重ねると共に,インストールや管理に関する部分のプログラム改訂を進め,公開にまで到達した。 現行のサーバで稼働しているCBTシステムの利用実績としては,1大学院,3大学で計7回(総計726名受験)であった。コアとなる部分については安定した稼働を行っており,この部分の追加改修は利用実績を反映した細かい要望に応える形で,出題順のランダム化や結果出力のカスタマイズへの対応などについて僅かなものであった。 ほぼ完成した当システムについて,12月の日本看護科学学会学術集会にて発表し,体験用のデモアカウントの配布も行った。その際に,想定されるユーザ層から聴取した意見も参考に,実際にシステムを導入・運用するに際して必要となる試験問題やユーザ管理,システム管理などの周辺プログラムの最終的な修正と実装作業を行った。最終的には,これまでに多数のCBT利用実績がある看護系大学の教員と情報システム部門担当者を招いて,システム導入と運用に関する詳細な検討を行った。 公開バージョンとなったシステムは,インターネットのサーバ(www.kango-stat.jp)上に無償公開した。改訂作業はこれで一区切りであるが,まだまだ改訂版システムの運用実績が少なく,環境依存のエラーが発生する可能性や使い勝手の不十分な点が残されていると考える。また,システムの導入と運用に際して,情報システムのセキュリティ面などからも,まったく看護系教員だけで作業を行うことは考えづらく,導入を検討する看護系教員とその所属組織の情報システム担当者との綿密な連絡・支援の体制は維持することが不可欠であると判断される。よって,システムの改良とサポートは今後も積極的に継続する予定である。
|