研究課題/領域番号 |
15K11520
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田久保 由美子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20385470)
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研究分担者 |
金子 あけみ 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (80588939)
坂野 朋未 武蔵野大学, 看護学部, 助教 (50735892)
臼井 雅美 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (50349776)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 家族看護学教育 / 基礎看護教育 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、前年度の研究結果を踏まえ、家族看護学の教育プログラムの内容および方法を検討する研究計画としていた。 前年度から継続している家族看護学の教育者からのヒアリングは11名まで終了した。10名を予定していたが、対象学年に偏りがあったことから対象者を追加し、あと1名にヒアリングを行う予定である。7名の分析は終了しており、講義以外にも、映画の視聴やロールプレイなどを取り入れていたが、教育上の課題として、教育のゴール設定をどうするか、家族に問題を抱える学生が増えていることへの対応が挙がっていた。また、卒業時の到達目標は、家族に介入が少しできるという実践レベルを目標としている教員と、システム的な理解を目標として挙げている教員がいた。 ヒアリング対象者は限られていることもあり、現在の日本の看護学士課程において、家族看護学教育の充足状況やその内容を網羅的に把握した上で、教育プログラム開発につなげている必要性を感じたため、看護系大学全254校のホームページから教育カリキュラムおよびシラバスの検索を行った。家族看護の独立した科目のある大学は163校(64%)で、2科目以上の科目があるのは9校であった。現在シラバスを入手できた139校の教授内容について分析をしている。 家族劇制作を用いた家族看護教育の学習体験を明らかにするために、家族看護学を受講後、約1年間が経過した学生7名にフォーカスグループインタビューを実施した研究結果については、第36回日本看護科学学会で発表した。家族劇制作は、「作る・演じる・見る」の全ての過程において、学生が自分の持つ家族観を見つめ、さらに家族の多様性を理解することにつながっていた。そして他領域での学習と統合されて、臨地実習での家族看護の実践に発展していたことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は家族看護学教育プログラム開発に着手する計画としていたが、ヒアリング対象者との日程調整に時間を要したことや、現状分析がまだ不十分であったことから、教育プログラム開発にまで至っていない状況であり、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、現在進行中の研究結果をまとめ、教育プログラム内容および方法を検討し、実施していく。実施にあたっては、当初予定していた教育機関の教育体制の変更があったことや、時期的な問題もあるため、研究者で検討して対処していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は海外視察を予定しており、その費用を計上していたが、国内調査の地域が遠く、費用と時間を要したこと、海外視察で聞く内容が国際家族看護学会主催のWebセミナーが2回開催されたことから海外視察に至らなかったため。また、予定していたヒアリングが終了していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越しとなったヒアリングの旅費および謝礼、テープ起こし費用に使用する。
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