研究課題/領域番号 |
15K11531
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
新美 綾子 日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (90735466)
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研究分担者 |
大津 廣子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (70269637)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護技術教育 / 看護技術動作 / 看護学生 / 習得困難 |
研究実績の概要 |
看護技術教育におけるコオーディネーショントレーニングの対象とする看護技術動作を明らかにするために、全国の看護教育機関の学生・教員を対象に、ベッドメーキング、車椅子移乗、アンプル並びにバイヤルから注射器への薬液の吸い上げ、血圧測定、鑷子操作の5つの看護技術について習得困難な動作を調査した。学生には、授業で学習して、難しかった(5点)から簡単だった(1点)まで5段階で、教員には学生が習得するのに難しかった(5点)から簡単だった(1点)まで同様に5段階で回答を得た。学生、教員が「難しかった」と認識している動作をコオーディネーショントレーニングの対象とし、トレーニング方法を開発する予定である。 調査対象の学生は、入学後初めて看護技術を学習する学生に限定するために、2年課程看護師養成所、2年課程通信教育機関、高校衛生看護科専攻科を除いた全国1,089の看護教育機関に研究協力を依頼した。そのうち、研究への協力を承諾した大学234、短期大学20、看護師・保健師統合カリキュラム養成所11、3年課程看護師養成所515、5年一貫教育校76,高校衛生看護科15,准看護師養成所218の合計396校の学生10,479人、教員1,534人を調査対象とした。調査期間は平成28年3月末日までとし、対象とする看護技術の授業を履修した後に調査票を記入し個別返送とした。現在までに学生約3800人分、教員約700人分を回収した。 データ入力の済んだ学生1095人、教員404人のデータをもとに中間報告する。各看護技術について一元配置分散分析を行った結果、学生、教員とも最も習得困難(高得点)であると認識している動作は、調査した5つの看護技術では共通していた。この結果から、コオーディネーショントレーニング方法を開発する動作が特定できるので、本研究の次の段階であるトレーニング方法の開発に結び付けることができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進行状況としては概ね予定通りに進んでいる。研究費に関して、全国調査を実施するため、研究への協力の可否を尋ねたところ、予定以上に多くの研究協力者が得られたことから、印刷、発送、回収、データ入力費用が予定以上にかかり、研究費の前倒しをすることとなり、細かな点において研究費節約のための検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在も回収中である平成27年度調査結果を1か月以内に明らかにし、平成28年度に予定していたコオーディネーショントレーニングの原案の作成にとりかかる。まず、①研究者間で、習得困難な動作をコオーディネーショントレーニング作成理論で分析し、原案を作成する。作成した原案について②本研究のスーパーバイザーである徳島大学荒木秀夫教授のスーパーバイズを受け修正する。③修正した原案で予備調査を実施する。④予備調査では、コオーディネーショントレーニングの成果を画像で確認する方法も合わせて行う。
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