研究課題/領域番号 |
15K11547
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
児玉 有子 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (70336121)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 災害看護 |
研究実績の概要 |
研究1年目の本年は東日本大震災発災時に福島県いわき市内で透析医療を受けていた患者の背景および転帰、実施された透析の経過や提供された看護について診療録や看護記録からデータ収集を開始した。東日本大震災時、いわき市内の透析を提供していた医療機関では断水および必要物品の供給不足が生じた。そのため、対象であるいわき市内で透析を受けていた患者は、いわき市内での透析継続が困難になり、東京都や千葉県、新潟県といった遠隔地へ避難し透析を継続した。遠隔避難による影響を評価するため、対象者の診療録等からの抽出は、震災を挟んで前後5年間を設定した。開始にあたっては東京大学医科学研究所の倫理審査を経て9月に開始の許可を得た。 具体的には、東日本大震災発災時に公益財団法人ときわ会常磐病院等、ときわ会グループで透析治療をうけていた患者の診療録、看護記録から以下の調査項目についてデータ収集している。調査項目は発災時の年齢、性別、職業、家族の状況、住まいの郵便番号、ADL、疾患名、主な治療、主な看護、発災前の最終透析日、透析条件、身体的状況(ドライウエイト、アルブミン値、身長)、地震後初回の透析日、地震後の対応、搬送先での透析条件、ときわ会グループでの透析再開日、6か月後、5年後の転帰と身体の状況、透析条件、透析開始日等である。 長年透析を継続している患者も多く、透析開始からの情報を紙カルテから収集は多くの困難を伴っている。現在までに該当患者の約8割の患者の紙カルテからの情報収集が完了した。対象の医療機関は研究対象期間の途中から、電子カルテに移行しており、今後電子カルテからのデータ抽出、データの統合を行い、分析へ進む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年は、研究開始にあたり所属機関である東京大学医科学研究所の倫理審査を経て9月に開始の許可を得て、研究を開始した。 東日本大震災発災時に透析医療を受けていた患者の背景および転帰、実施された看護について診療録や看護記録からのデータ収集実施した。紙カルテからのデータ収集は多くの困難があり、該当患者の約8割の患者の紙カルテからの情報収集が完了している。対象の医療機関は研究対象期間の途中から、電子カルテに移行しており、今後電子カルテからのデータ抽出、データの統合を行い、分析へ進む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究1年目は、研究2年目は研究協力者を増やし、迅速にデータ収集を完了させ、分析を進め論文執筆、学会発表等で公表を行う。さらに、研究2年目に予定している研究計画を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、データ収集に申請者以外にも研究協力者の同行を予定していたが、スケジュール調整が困難で、研究者単独でそのほとんどを実施しており、謝金等の支払いが、予算通りにはならなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、追加データの収集には、大学院生等の協力を得る予定であり謝金等が生じる予定である。
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