研究課題/領域番号 |
15K11547
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研究機関 | 星槎大学 |
研究代表者 |
児玉 有子 星槎大学, 共生科学部, 准教授 (70336121)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 災害看護 |
研究実績の概要 |
本年度は研究2年目であり、一年目からの繰り越ししていたデータベース構築を引き続き実施した。これは本研究の1つめの目的である、避難搬送された患者の長期予後と提供した看護や医療の実態を明らかにすること、震災後の医療体制への長期的な影響を明らかにするためのデータベースの構築である。本年度は研究代表者の異動があったことから、新任校である星槎大学にて、再度倫理審査を経て研究を開始した。 研究1年目に構築したデータベースシートを元に、対象者患者についてデータ収集を行い、全患者のデータ収集が完了した。 データ整理ができた557人のうち、男性363人、女性192人、2011年3月11日時点での平均年齢は65.4歳で、最高年齢者は95歳、最も若かった人は17歳だった。123人が2017年1月末までに死亡しており、16人が震災後1年以内に、110人が5年以内だった。対象者のうち、東日本大震災発生時に10年以上透析していた人が62人、5年以上10年未満が98人、2年以上5年未満が198人、1年未満が138人、期間不明が61人だった。対象者は過去10年間に平均2回の入院をしていた。また、震災直後の避難を経て元の施設またはその関連施設で再開した人は419人であった。そのうち、5人は2週間以内に、143人は1ヶ月以内に、約6年後に再開した人もいた。いわき市から避難し、避難先で透析を続けた患者の多くは1施設だったが、3施設を経験した人もいた。 研究3年目は、さらに解析を進め、長期予後への影響や避難に同行した看護師への影響についてさらに精査、分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
紙カルテからの抽出作業が思いの外、時間を要した。そのため、2年目中に論文としての公表を目指していたが、データベースの構築に留まった。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査および学術誌への投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、支出が増えなかった原因としては、2年目に実施予定だった研究発表が思うように進まなかったことが上げられる。これらの発表に関わる旅費や英文校正の費用等の支出がないことが一番の理由と考える。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集が完了したので、本年度は積極的に研究発表を行うこと、さらにインタビュー調査を予定しており、これらの分析費用により、残額を使用する予定である。
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