研究課題/領域番号 |
15K11549
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
内田 宏美 島根大学, 医学部, 教授 (30243083)
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研究分担者 |
津本 優子 島根大学, 医学部, 教授 (30346390)
福間 美紀 島根大学, 医学部, 准教授 (40325056)
宮本 まゆみ 島根大学, 医学部, 講師 (80551746)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療安全管理者 / スキルアップ / 離島 / スカイプ / コンサルテーション / アクションリサーチ |
研究実績の概要 |
平成28年9月から、研究協力の同意を得て、S県B離島b病院の看護部長及び医療安全管理担当のスタッフ看護師とスカイプを介したコンサルテーションによるアクションリサーチを開始した。(本事例をケースBとする) [ケースBについて]医療安全管理上の課題の優先性、重要性を吟味して、取り組むべき課題を設定し、解決のための戦略を練って、具体的なアクションプランを策定し、実施した結果を内省して、新たな課題の発見と次への行動戦略を練るという、問題解決過程を効果的に展開するためにの調整とリーダーシップの取り方について、月1回のペースでスカイプを介して助言を行った。 開始から約半年が経過した平成29年5月に、スカイプを介して中間総括のためのインタビューを行った結果、医療安全委員会のメンバーで問題意識を共有し、組織的に課題を解決していくための方向付けはできたものの、具体的な組織的取り組みは途についたばかりであることから、引き続き医療安全管理者のスキルアップ支援が必要と判断し、スカイプによるコンサルテーションを続行することとした。開始から1年経過して、医療安全委員会のメンバー間で相互理解が進み、チームにダイナミクスが生まれていたことから、当初の目標はほぼ達成できたと考えられたが、研究協力者から、次なる課題の解決に向けてアクションリサーチを続けたい意向が有り、平成30年前半を目処に支援を続けることとした。 平成27年のケースAと、本ケースBのアクションリサーチのプロセスとその成果について、第12回医療の質安全学会学術集会(2017年11月、幕張)で事例報告として発表した。 スカイプを介してであっても、直接対峙して行うコンサルテーションと遜色ない成果の手応えを得られていることから、平成30年度前半に本研究としての成果を総括し、第13回の医療の質安全学会で公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度前半の約3ヶ月間、自身の入院加療、及び、家人の入院加療に伴う介護により、断続的に休暇をとったため、1事例のスカイプを介したコンサルテーションを緩やかに継続することはできたものの、介入による効果を得るために時間を要した。その影響により、本研究全体の成果をまとめるに至らず、補助事業期間を1年延期せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
医療安全管理者の課題解決力の向上に関して、スカイプの活用は、直接対峙して行うコンサルテーションと遜色ない成果があるという手応えを得た。平成30年度前半に、協力者へのインタビューデータ、介入前後の医療安全推進活動の実践度の変化、リーダーシップ発現度の変化等を総合的に吟味して、本研究としての成果を総括し、第13回の医療の質安全学会で公表する予定である。 科研費による研究としては、平成30年度で終了するが、平成30年度以降も、S県看護協会の全面的なバックアップを受けて、医療安全管理者のフォローアップ研修の中にスカイプによるコンサルテーションを組み込み、引き続き、離島や中山間地域等の研修に参加しにくい中小規模医療機関の医療安全管理者のスキルアップ支援をシステムとして定着させていく予定である。この際、評価指標となる尺度を継続して使用する予定にしており、データが蓄積されれば、スカイプによる介入方法の有効性についてのエビデンスが構築される見通しである。
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次年度使用額が生じた理由 |
[理由] 平成29年度前半に、入院加療と家人の介護により断続的に休暇を取り、研究の実施と総括が遅延したことにより、補助事業期間の1年延長が認められ、最終年度が平成30年度となった。 [使用計画] 最終年度となるため、これまでのデータの分析に必要な統計ソフトの購入、分担研究者も含めた成果発表の旅費、関係者に配布する報告書の作成に使用する予定である。
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