「ユニフィケーション」とは本来「見た目の異なる2つの項(対象構造)が同一あるいは同等であることを示す。看護におけるユニフィケーションとは「看護サービスと教育ならびに研究の責任を一つの管理組織に所属させること」を意味する。文献検索によって「ユニフィケーションモデル」は幾通りかのタイプに分けられていることがわかった。平岡らが1999年に分類した①看護教員-看護職併任型、②師長→看護教員兼任型、③看護教員→看護職兼任型、④大学-地域連携型の4パターンを軸に現在も大別されておりそれぞれ時代に応じた見直しや組織の特徴に合わせたユニフィケーションモデルの構築がなされている。附属病院をもたない看護師養成施設におけるユニフィケーションは、実習病院への研究指導などに極限られた範囲での一時的な人的支援が多く「ユニフィケーション」の概念に照らし合わせると「ユニフィケーション」とは言えない。 最終年度も人事交流や臨床看護師の授業への参画を提案したが、勤務の調整等ができず実現することができなかった。経営母体が異なる施設同士では連携の範囲に限りがあり給与の面やなによりも患者に対するケアの質保証と責任の所在をどうするか等、クリアすべき課題が山積していた。本研究は附属病院を持たない看護師養成施設の教員が臨床現場とどのように連携していくべきなのかを主眼とするものであったが、なぜ看護教員に教育実践能力と看護実践能力のどちらも必要であるのかを掘り下げ確固たるエビデンスのもとに提案する必要があった。また看護実践応力を維持・向上していくために人事交流以外の方法は無かったのか、他にどんな方法があったのかを検討する必要があった。今後は単一化・統一組織にこだわらず社会の要請にこたえる看護師を育成するためには教育現場と実践の現場がどのように連携していくべきなのかを模索する必要ある。
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