研究課題/領域番号 |
15K11557
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
林 千冬 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60272267)
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研究分担者 |
グレッグ 美鈴 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60326105)
益 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (80511922)
花井 理紗 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (70758705)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 准看護師 / 教育制度 / ラオス / ベトナム / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
今年度は、予期していなかったラオス・ベトナム訪問の機会を得ることができ、急きょ各国の看護師養成制度ならびにセカンドレベル看護師の実情についてヒヤリングを行うことにした。 ラオスにおいては、中核病院であるマホソット病院において、病院の看護職員構成・教育・業務などについて見学をしたのち、国連人口基金ラオスセンターとラオス保健省において、ラオスの看護資格制度改正と看護職能 団体開設の動向についてヒヤリングを行った。ラオスは現在、日本の保健師助産師看護師法に相当する法制度を立案中であり、その中で、地方によって異なる資格制度をどのように一本化するかが模索されている。現在の看護師養成制度は、1校のみある大学での4年、上級看護師の3年、それ以外は2.5年である。看護職員数じたいが不足・偏在している中で、とりわけ地方での看護職員確保のためには、看護師資格を複線化せざるをえない実情が理解できた。その際に、いかに業務範囲に応じた教育を保障するかが今後の課題となる。 ベトナムにおいては、ダナン大学看護学部を訪問し、ベトナムの看護教育制度についてヒヤリングを行った。ベトナムの教育制度は4年、3年、2年の3種類があり、やはり地方部では2年コースがまだ主流であり、業務範囲の区別についてもヒヤリングの限りでは曖昧であった。29年度に予定している海外調査において、実際の病院等での就労実態の把握を課題としたい。 国内調査については、准看学生調査を訪問看護に従事する准看護師調査に変更し、准看養成所教員調査と並行して実施中である。現在までのところ、訪問看護に従事する准看護師調査からは、准看護師教育の不足、それを経験と自己学習で補ってきた自負、それでも確信がもてない不安があることなどが明らかになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、予期していなかったラオス・ベトナム(・タイ)訪問の機会を得て、各国の看護師養成制度ならびにセカンドレベル看護師の実情についてヒヤリングを行うことができた。しかし、国内調査については、訪問看護に従事している准看護師と准看護師学校教員への依頼・承諾までに時間がかかっており、調査が遅延している。ただし、27年度に予定していた准看学生調査を中止し、28年度に予定していた准看護師インタビュー調査を先取りする形で、訪問看護に従事する准看護師調査を開始しているため、遅れは若干だとみなしている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(平成28年度)予定の准看護師インタビューの一部はすでに開始しているため、さらに件数を増やし、質問紙調査実施を年度末までに終える予定である。次年度の海外調査の準備としては、さらに情報収集を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は計画を変更して海外調査を行ったため、国内調査の進行が遅れた。そのため、インタビュー調査に係る経費が使用しきれなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
国内のインタビュー調査費用として次年度内に使用する計画である。
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