研究課題/領域番号 |
15K11557
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
林 千冬 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60272267)
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研究分担者 |
グレッグ 美鈴 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60326105)
益 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (80511922)
花井 理紗 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (70758705)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 准看護師制度 / 看護師養成 / 看護職員需給 |
研究実績の概要 |
今年度は、海外調査の予備調査として、1月21日~25日にかけて、インドネシア・ジャカルタにおいて、看護師養成校教員・学生、病院の看護教育担当者、民間病院で働く准看護師に対し、聞き取り調査ならびに資料収集を実施した。結果概要は以下のとおり。 インドネシアにおいては、看護教育制度改革の流れの中で、1999年に准看護師養成停止が決定し、2003年には養成校が廃止された。就業准看護師については、当面の間の就業保障はしたが、2014年には免許じたいの廃止が予告され、2019年からは実際に免許が失効することになっている。なお、看護師養成は保健省から文科省に移管され、今後は、高卒1年コースのナースエイド養成(免許付与なし)と、3年以上の看護師養成に分けられる。 現在、准看護師は10万人おり、そのうち42000人が公務員で、他は、民間セクターで就業しているか、就業していないかのどちらかである。確認できる統計は入手できていないが、公務員以外での准看護師就業者は少ないのではないかということであった。 インドネシアでの看護師免許所持者は年々増加し、地方部ではまだ就業者の20~40%程度だが、都市部や大学病院ではすでに100%が看護師である。 何よりも、インドネシアでは看護職員需給は供給過剰である。看護師の業務が診療補助に限定されていることもあって、病院は多くの看護師を必要としていない。人材確保がなされているーつまり、看護職員不足ではないという社会背景が、インドネシアの准看護師養成ならびに制度の停止を可能にしたものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は海外調査を計画していたが、調査対象の見直し・選定に時間がかかっている。原因は以下の二点。①当初予定していたオーストラリアでの調査先と日程の調整ができなかったこと。②インドネシアでの予備調査の結果、海外調査先をASEAN諸国にも広げる必要があると考えられたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度前半にオーストラリア調査の再調整・実施と、ASEANの看護制度改革の状況を確認し、ラオス、ベトナム、タイのいずれかでの調査を計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた、オーストラリア調査が訪問先・日程調整できなかったため次年度に持ち越しとなった。今年度調査で使用する予定である。
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