研究課題
本研究の目的は、看護師のレジリエンスを高めるプログラムを作成し、それを実行することで、看護師の幸福度を向上させ、継続勤務意欲を高めることが可能なシステムを確立することである。2017年度も学会、講演、研修等でレジリエンスの重要性やポジティブ心理学の手法を用いることの効果について普及に努めた。また先行研究から、レジリエンスとセルフコンパッション(自己への思いやり)の関連が指摘され、レジリエンスプログラムに「愛と優しさの瞑想」(Loving-kindness Meditation: LKM)を含めることを検討し、今年度は、レジリエンスと共に、セルフコンパッションをアウトカムに含めた介入研究をおこなった。その結果、LKMはセルフコンパッション向上に有効であることが示された。また唾液中のアミラーゼとコルチゾールについても測定した。その結果、LKMは看護職の身体的・精神的健康の向上に有効であると判断し、LKMもプログラムの内容に組み込み、レジリエンスプログラムを完成させた。このLKMの介入研究については、2018年のEuropean Conference on Positive Psychologyにて発表予定である。完成させたレジリエンスプログラムを、関東地方、東北地方の2病院の新人研修で行い、その前後のレジリエンスやセルフコンパッションを測定したところ、レジリエンス・セルフコンパッション共に有意に向上した。この結果に関しては、2018年8月の学会に発表するために投稿したところである(結果待ち)。3月にポジティブ心理学・看護学研究会を設立し、その場で、この3年間の本研究課題の経過と結果について一部発表した。その模様は、産業保健と看護、ナーシングビジネスの誌上で紹介され、保健師ジャーナルの6月号に「保健師活動におけるポジティブ心理学の可能性」が掲載された。
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精神保健福祉ジャーナル響き合う街で
巻: 83 ページ: 61
保健師ジャーナル
巻: 74 ページ: 498-504
病院安全管理
巻: 5 ページ: 27-31