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2016 年度 実施状況報告書

訪問看護利用者、家族による暴力の危険予知訓練プログラム構築と実施効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K11573
研究機関神戸常盤大学短期大学部

研究代表者

武 ユカリ  神戸常盤大学短期大学部, 看護学科通信制課程, 講師 (00363581)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード訪問看護 / 身体的暴力 / 言葉の暴力 / セクシャルハラスメント / KYT / 暴力防止 / クレーム
研究実績の概要

1)訪問看護師に対する暴力に関する調査 ①文献調査:病院、訪問看護における暴力被害、暴力防止に関する調査や報告などの文献収集を継続し行っている。②電話による聞き取り調査:特定地域の訪問看護ステーションに、郵送で協力依頼を行い、承諾の得られた1名に暴力体験について聞き取り調査を行った。③質問紙郵送調査:利用者・家族による訪問看護師に対する暴力について、訪問看護ステーション管理者に対して質問紙調査を実施し、現在データ解析中である。
2)KYTや訪問看護師に対する研修会、検討会等への参加 ①KYTをわかりやすく教えるためのセミナー(中央労働災害防止協会)への参加:協会が開発したKYT基礎4ラウンド法をわかりやすく教えるためのツールを使った、管理・指導者向けの半日セミナーである。②訪問看護師に対する暴力防止検討会[代表:藤田愛(北須磨訪問看護・リハビリセンター所長)、平成29年1月発足。構成メンバー:訪問看護師、弁護士、精神科医、介護士、薬剤師、訪問事業者協会等]への参加:臨床現場における事例紹介、現状把握と防止対策について検討する会で、定期的に開催している。③訪問看護師のための患者・利用者家族からのクレーム対応[講師:三木明子(筑波大学医療系准教授)患者・利用者家族からのクレームの対応について、何がクレームなのかを知り、基本的なクレーム対応のスキルの向上を目指す一日の研修である。
3)訪問看護における暴力のKYT(危険予知訓練)プログラムの内容検討 ①利用者・家族による訪問看護師に対する暴力の場面設定のイラスト作成の検討:事例収集、聞き取り調査、研修会への参加などから情報収集した内容を参考に、イラスト案を作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1)電話による聞き取り調査:本研究で訪問看護における暴力のKYTプログラムには、臨床現場で生じている暴力の現状に応じた、場面イラストを作成する必要がある。そのため訪問看護師の実体験を聞くことが重要であると考え、電話による聞き取り調査を5~10名程度を予定し計画、実施した。しかし100か所の訪問看護ステーション宛に郵送で調査協力を依頼したが、承諾を得られたのは1名のみとなった。協力者へのアクセスが難しい現状があった。
2)利用者・家族による訪問看護師に対する暴力に関する質問紙郵送調査:厚生労働省介護事業所検索サイトを利用して、全国の訪問看護ステーション3000か所を対象にランダムに抽出し、管理者を対象として郵送質問紙調査を実施した。主な質問内容は、身体的暴力、言葉の暴力、セクハラの発生や組織的な対応についてである。所在地移転や閉鎖などのため、49か所が除外された。805部の返送があり(回収率27.3%)、結果を分析中である。
3)KYTプログラム作成、イラスト案の検討:これまでの調査活動や参加した検討会などの中で得られた情報や、スーパーバイザーのアドバイスを受け、KYTのための場面イラストを作成中である。また参加したセミナー、研修会などを参考にしながら、訪問看護師を対象としたKYTプログラムの内容を検討中である。

今後の研究の推進方策

1)利用者・家族による訪問看護師に対する暴力に関する質問紙郵送調査の結果をまとめ、身体的暴力、言葉の暴力、セクシャルハラスメントの発生状況や、個別の防止対策、組織的な対策などの現状と課題について検討する。
2)KYTプログラム作成と実施:利用者・家族による訪問看護師に対する暴力に関する質問紙郵送調査の結果を参考に、訪問看護師に対する暴力に関する発生の現状を反映し、個別の防止対策だけでなく、組織的な対応にも視点をおいた内容を検討する。訪問看護師を対象にしたKYT研修会を開催し、その効果についての検討を行う。
3)文献調査、KYTや訪問看護師に対する研修会、検討会等への参加:訪問看護やその他の医療現場における暴力に関する調査、研究に関する情報収集を行いながら、KYTや暴力防止対策に関する研修会などにも参加し、情報収集を行う。
4)学会発表や論文作成をおこなう。

次年度使用額が生じた理由

実施計画の「1)KYTプログラム作成と実施:利用者・家族による訪問看護師に対する暴力に関する質問紙郵送調査の結果を参考に、訪問看護師に対する暴力に関する発生の現状を反映し、個別の防止対策だけでなく、組織的な対応にも視点をおいた内容を検討し、訪問看護師を対象にしたKYT研修会を開催し、その効果についての検討を行う。」のKYT研修会の実施に至っていない。

次年度使用額の使用計画

KYT研修会への参加者への連絡に電話、郵送料、資料作成、貸会場費用、交通費などがかかる。またデータ入力、保存などの作業、その他研究協力者に対する謝金、学会発表、論文作成のための投稿などに支出予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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