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2018 年度 実施状況報告書

訪問看護利用者、家族による暴力の危険予知訓練プログラム構築と実施効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K11573
研究機関関西医科大学

研究代表者

武 ユカリ  関西医科大学, 看護学部, 講師 (00363581)

研究分担者 三木 明子  関西医科大学, 看護学部, 教授 (30315569)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード訪問看護 / 身体的暴力 / 言葉の暴力 / セクシャル・ハラスメント / 危険予知訓練(KYT)
研究実績の概要

平成30年度,訪問看護師に対する利用者・家族による暴力の実態把握と対策への課題を検討することを目的に,①全国質問紙郵送調査(平成28年度実施)のまとめ,②訪問看護師版暴力のKYT(危険予知訓練)の予備研修開催,訪問看護師のための暴力のKYT(危険予知訓練)の実施に関する検討を行った.

①日本看護科学学会誌に「サービス利用者による訪問看護師への暴力と訪問看護ステーションの地域連携との関連」(原著論文)を発表した.さらに結果の一部を22th Asian Forum of Nursing Scholarsに“Relationship between violence inflicted on visiting nurses by home care users and regional collaboration with visiting nurse station.”(示説)を発表した.調査対象は全国3千カ所の訪問看護管理者で“暴力行為[身体的暴力,言葉の暴力,セクシャルハラスメント]のある利用者あり”は,夫々およそ3割であった.地域連携評価を低得点群と高得点群の2群で分析し,低得点群は高得点群より言葉の暴力,セクハラのある利用者割合が多く,地域連携の低さと言葉の暴力,セクハラの発生との関連が示唆された.

②暴力(ハラスメント含)防止をテーマに,管理者研修1件,訪問看護・他職員研修2件の予備研修を開催した.研修後参加者アンケートには「どう対応するのか知識不足だった」「暴力に対する考えが変わった.もっと自分や周りのスタッフを守りたい.」「事業所の取り組みを考える」等があった.暴力に対する認識の変化,知識の必要性への気づき,組織的な対策づくりの機会となっていた.本研修結果を参考に「訪問看護師版暴力のKYT(危険予知訓練)場面集」を用いた研修の内容,効果測定調査票の検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度「訪問看護師版暴力のKYT(危険予知訓練)場面集」を用いた予備研修を行い、参加者の反応やアンケート内容を検証し、研修効果の測るための質問項目の検討を行った。そのため、「訪問看護師のための暴力のKYT研修」の実施と効果測定が未実施の状態になった。

今後の研究の推進方策

本研究における全国郵送質問紙調査結果からは、暴力行為がある利用者がいることは決して稀なことではないこと、暴力対策には良好な地域連携が関連している可能性があることがわかった。今後、訪問看護師に対する暴力KYTを実施するにあたり、各事業所の暴力の発生状況、地域連携などの特性をふまえ、ニーズに合わせた内容の研修を行うよう工夫する必要がある。
2019年4~6月に調査協力を得られる事業所(3か所程度)との調整を行い、フィールドの確保を行う。7~8月に管理者にヒアリングを行い、現在、事業所がどのようなケースに対応しているのか、組織としての対策づくりの現状などを把握する。その上で、訪問看護事業所のニーズに応じた訪問看護師に対する暴力KYTのプログラム内容の検討を行い、順次実施する。状況や要望などに応じて、複数回、研修実施する。訪問看護の実践の中で暴力に対する認識の変化,対応ならびに組織的な対策づくりの実施に関する調査を検討する。
研修実施後(およそ1ヶ月後)に、質問票を送付、回収して結果分析を行い、研修の効果を測る。この調査結果をまとめ、学会発表、論文作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度、計画していた訪問看護師のための暴力のKYT(危険予知訓練)の実施には、管理者へのヒアリングのための交通費、資料準備、研修開催時の会場費用、交通費、宿泊費、データ分析、研究発表、論文投稿などの費用の支出が見込まれる。訪問看護師のための暴力のKYT(危険予知訓練)の実施、調査が未実施の状態であるため、使用額との差が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] サービス利用者による訪問看護師への暴力と訪問看護ステーションの地域連携との関連2018

    • 著者名/発表者名
      武ユカリ
    • 雑誌名

      日本看護科学会誌

      巻: 38 ページ: 346-355

    • DOI

      https://doi.org/10.5630/jans.38.346

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Relationship between violence inflicted on visiting nurses by home care users and regional collaboration with visiting nurse stations2019

    • 著者名/発表者名
      Yukari Take, Ayumi Kono
    • 学会等名
      22nd East Asian Forum of Nursing Scholars
    • 国際学会
  • [図書] 訪問看護・介護事業所必携!暴力・ハラスメントの予防と対応2019

    • 著者名/発表者名
      三木明子
    • 総ページ数
      14p「訪問看護師版暴力のKYT場面集」掲載
    • 出版者
      メディカ出版
    • ISBN
      978-4-8404-6866-4
  • [備考] 訪問看護師版暴力のKYT場面集

    • URL

      http://www.miki-kmu.com/books/houmonkaigo_tky.pdf

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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