研究課題/領域番号 |
15K11582
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
師岡 友紀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40379269)
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研究分担者 |
吉村 弥須子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10321134)
梅下 浩司 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60252649)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生体肝移植 / 生体ドナー / QOL / 支援 |
研究実績の概要 |
今年度は、生体肝ドナーの相談システムとして運用するホームページの内容の充実に向け、掲載する情報の拡充を行った。また、ホームページを運用するサーバの情報管理上の問題に関して、業者と調整を行った。特に個人情報の取扱いについては、所属施設のプライバシーポリシーを遵守する形で整備した。 実際に対象に向け相談システムを運用するにあたり、事前にエキスパートパネルを開催することをめざして準備をすすめていたが、研究責任者と研究分担者の所属施設変更が内定したことで、ホームページの修正が必要となった。また、研究に遅れが生じたことで、データを追加修正する必要も生じた。さらに、分担者の所属施設の変更に伴い、対象者である生体肝ドナーへの調査が困難となったため、計画変更としてエキスパートパネルを行うことで成果を評価することした。 一方で、ホームページの修正や研究計画変更に時間を要することを考慮し、ホームページに掲載する内容として分析した研究結果を、国際学会発表2件として発表した。内容はレシピエント移植コーディネーターが考える、生体肝移植レシピエント、ドナー、その家族が、術後に抱える問題とコーディネーターが行っている支援についてである。結果から、コーディネーターは、レシピエント、ドナー、家族に起こりえる問題として、レシピエントの術後の身体状況が期待ほど回復しないことと、そうした状況に関する関係者の言動が影響していると考え、術前から密で個別的な関りを基盤に、術後も継続して見守りを行っていることが明らかになった。 なお、昨年度、相談システムに掲載する内容として分析を進め、投稿した論文が今年度に採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究責任者と研究分担者の所属施設変更が内定したことで、ホームページの修正が必要となった。また、研究に遅れが生じたことで、データを追加修正する必要も生じ、そうした作業に時間を要した。さらに、分担者の所属施設の変更に伴い、対象への調査が困難となったため、さらなる計画変更が必要になってしまった。 加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、対象者(生体肝ドナー)への調査は現実的に不可能なものとなってしまった。エキスパートパネルの開催も当初の会議形式では困難となったため、さらに計画の修正が必要となっている。
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今後の研究の推進方策 |
修正した相談システム(ホームページ)を、生体肝移植に関わる医師、コーディネーターに閲覧してもらい評価を得る。そのことで、実用における課題を見出し改善する。また学会発表や論文でホームページの内容の紹介と期待される効果について発表し、今後の活用可能性を広げる。 現状では、エキスパートパネルの開催は困難であるため、生体肝肝移植に関わる医師やコーディネーターに個別に依頼し、意見をアンケートで聴取し集約する。必要に応じて遠隔での面談も用いるなど工夫する。実際に対象が活用する相談システムの運用に至ることは困難であるが、今後、医師、コーディネーターが活用可能なサイトとして、成果発表を通して広報する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた対象者(生体肝ドナー)の調査が困難となったこと、それに代替するエキスパートパネルの開催も困難となったこと、それにより倫理審査委員会の審査費用、会議費、旅費などが使用できなかったことにより残額が発生している。また、実際のホームページの運用を行っていないことで、ホームページの運用費を使用していない。 今年度は、ホームページの運用で年間20万円かかること、移植医やコーディネーター対象の調査(ホームページの調査)にあたり、謝金等が必要である。しかし、研究計画が変更となったため、使用の必要がなくなった予算は返還予定である。
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