研究課題/領域番号 |
15K11591
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
澄川 真珠子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (20432312)
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研究分担者 |
斉藤 重幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (60253994)
澄川 靖之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00555526)
赤坂 憲 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (70468081)
桑村 由美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (90284322)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 神経障害 / フットケア |
研究実績の概要 |
糖尿病性神経障害の重症度が高い人は、末梢において感覚鈍麻やしびれなどの自覚症状を有することが多く、毎日の生活のなかでフットケア行動の継続が重要である。そこで、糖尿病患者の神経障害重症度別にフットケア行動の実態を明らかにした。糖尿病神経障害の重症度評価には、DPN check(HDN-1000,Omron Colin)を用いた。また、フットケア行動評価には、J-SDSCA(the Japanese translated Summary of Diabetes Self-Care Activities Measure)を用いた。フットケア行動は、足の観察、足洗浄、足趾間を拭く靴の観察であり、過去7日間において何日実施したかの回答を得て得点化した。糖尿病患者102名、65.7歳、糖尿病歴13.9年、HbA1c7.3%。神経障害重症度別のセルフケア行動の総得点は、28点満点中、normal 54名;11.8点、mild 27名;10.6点、moderate 17名;13.3点、severe 4名;9.3点であり、どの群においてもフットケア行動得点が低く、特に重症度の高い群において得点が低い傾向にあったが、統計学的有意差は認めなかった。神経障害が重度になるほど糖尿病足病変の発症率は高いため、フットケア行動の獲得が必要である。また、独居であることや糖尿病足病変の再発者は生命予後が悪いと報告されている。したがって、患者の神経障害の重症度と生活背景を考慮したフットケア介入が必要である。 また、2017年12月より足潰瘍発症リスク評価に応じた定期的なフットケア介入(セルフケア支援、爪切り、胼胝処置など)を糖尿病患者5名に開始し、経過を観察中である。足への関心はあっても、生活の変更が難しい患者もおり、行動変容のための話し合いを継続しているところである。研究開始より1年後の経過について今後報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖尿病患者に対する個別的なフットケア介入研究を開始するにあたり、倫理審査に時間を要したこと、認知症患者、精神疾患患者、80歳以上の方を除外しているため、研究対象の確保に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
研究施設におけるフットケア外来に通院する患者が、認知症や精神疾患を有している場合が多く、また、80歳以上の高齢者が多く、個別的フットケアを必要とする患者が多いものの、研究に対する協力を得ることが難しい現状があり、当初予定していた30名の対象を確保するのは難しい状況にある。そのため、今年度新たに登録見込みの対象は5名程度であるため、約10名の患者を詳細に質的に分析しながら評価を行っていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に国際学会(アメリカ・ボストン)での発表を予定しているため、旅費で使用予定であること、英論文校正費用を予定しているため
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