併設病院の外来部門で取り組まれている外来看護検討会に所属している看護管理職の委員4名に、外来看護を実践する上で感じている困難なこと、課題と感じていることについて、ヒヤリングを行った。管理者の視点からは、外来で看護を提供する看護チームの特徴について、困難を感じている現状があることが語られ、特徴の概要を以下2点に整理した。①パート・アルバイト・職員といった多様な雇用形態でチームを組むこと、②院内異動者や復職者(病気休暇後・産休育休後など)を含む、専門知識や技術について多様なレディネスを持つ看護職者でチームを組むこと。 外来看護検討会において、このような特徴をもつ外来看護チームを構築するためには、各スタッフに「他のスタッフの強みを引き出し、チームとなる力」が必要となることが確認された。 「他のスタッフの強みを引き出し、チームとなる力」の養成は、外来看護師に特徴的な教育要素であると考えられ、「調和する力」と命名し、外来看護検討会において講義を実施し、好評を得た。引き続き外来看護に特徴的な役割・能力及び教育ニードについて、外来看護検討会を通じて中核となる要素を抽出し、教育プログラムの素案を検討する予定である。 準備が整い次第、外来看護に関わる看護師、認定・専門看護師及び院内教育を企画する教育担当者等に対し、インタビューを実施する予定である。 また、こうした外来看護の特徴を学部学生の段階から教育する試みを並行して行い、実践報告としてまとめ、聖路加国際大学紀要に投稿した。
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