研究課題/領域番号 |
15K11618
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
楠 潤子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30554597)
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研究分担者 |
眞嶋 朋子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50241112)
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (40323414)
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研究期間 (年度) |
2016-01-27 – 2019-03-31
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キーワード | がん患者支援 / 補完・代替療法 / チーム医療 |
研究実績の概要 |
本研究は、補完・代替療法(以下、CAMとする)に取り組むがん患者への看護支援モデルを多職種との連携を活用して展開し、CAM利用者のQOLのさらなる向上、および、がん医療に携わる多職種の連携協力のさらなる強化を可能にするものである。平成29年度の研究計画は平成28年度に引き続き、「保険診療を行う医療施設に勤務するがん患者の診療に関わる多職種医療従事者のCAM利用支援に関する実態調査」を行うことであり、以下の成果を得られた。 1.質的調査を行うために研究者所属施設の倫理審査を申請し、承認を受けた。 2.首都圏にある1施設を調査の場とし、研究対象者となる医療従事者に対しリクルート活動を行った。医療施設職員が研究対象となるため、特に、研究への協力に強制力が働かないよう、かつ協力の是非が勤務評価に影響しないよう配慮した。 3.結果 1)対象:看護師6名(年代:20代~40代、すべて女性、6名中4名は病棟所属・1名は管理部門所属・1名は教育部門所属) 2)分析結果:各対象に30分程度の半構造化面接によるインタビューを実施し、逐語録としたデータを質的帰納的に分析した。その結果、【CAM利用支援】として得られたコードは41、サブカテゴリーは18であり、最終的に7のカテゴリー:【CAMに対する患者の思いを尊重し、希望に沿って実践し続けられるよう手助けする】、【CAMについて患者と確かな共通認識をもてることを目指す】、【CAM実施による危険が回避できるよう注意する】、【患者と他職種のコミュニケーション窓口となる】、【チーム内・チーム間で患者のCAM利用について共有する】、【CAM利用選択をする患者・家族が後悔を残さないようコミュニケーションを図る】、【多方面より患者のCAM利用を考え、支えられるようアプローチする】に集約された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度の計画は、保険診療を行う医療施設に勤務するがん患者の診療に関わる多職種医療従事者のCAM利用支援に関する実態調査として質的調査・量的調査を行う予定であった。しかし、質的調査依頼を行ったフィールド(施設)において対象者リクルート方法の変更を求められ、倫理審査の修正申請が必要となり調査開始が遅れた。さらに、対象者リクルートが難航し、看護師以外の医療従事者:医師・薬剤師・栄養士・理学/作業療法士・言語聴覚士が研究対象として得られず、質的調査が完了しなかった。質的調査において看護師以外の調査結果が得られなかったことから、量的調査計画の立案に着手できず計画が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に引き続き、看護師以外の医療従事者を対象とした質的調査を続行する。研究対象が得られなければ、調査の場を拡大することとする。 質的調査の終了を待たずに量的調査計画の立案に着手する。 学事期はフィールドにおける研究活動に時間を割くことが困難なため、研究支援要員等を要請する等して調査が進むよう工夫する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度より計画していた海外における知見収集を延期していること、およびフィールドにおける質的調査が遅延しテープ起こしが完了していないこと、ならびに調査遅延のために成果発表が保留となっていることにより次年度使用額が生じた。 使用計画は、質的調査継続にともなうテープ起こし業者依頼、国内外における成果発表、量的調査開始にともなうデータ入力作業依頼とする。
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