2020年度はこれまでの質的調査結果を踏まえ、保険診療を行う医療施設に勤務するがん患者の診療に関わる医療従事者のCAM支援実態調査」の量的調査を実施する計画であり、以下のとおり成果を得た。 1. 対象:がん診療連携拠点病院に勤務し、一般病棟において成人・老人がん患者への看護実践経験のある看護師400名程度、研究協力への同意を得たものとした。 2. 調査内容:対象の基本情報(年代、性別、職位、最終学歴、看護実践経験のある診療科)、現在の職場環境(業務の多忙さ、患者・他職種とのコミュニケーション、上司・同僚のCAMに対する理解)、自分に対するCAM実施経験、CAMに関する学習の機会、がん患者に対してCAMを勧めた経験、がん患者に対するこれまでのCAM利用支援の状況(「補完・代替療法の効果を信じ実践している思いを理解し、尊重する」等、研究者の質的先行研究成果を活用した19項目)、CAMに取り組むがん患者に対する期待(「自分の体調の変化を敏感に捉えて補完・代替療法の実践が継続できるか検討してほしい」等、研究者の質的先行研究成果を活用した11項目) 3. 調査方法:1)標本抽出方法 (1)調査施設の条件:一般病棟で活動する緩和ケアチームを有するがん診療連携拠点病院とした。(2)対象候補者の抽出:各調査施設における研究対象候補者の抽出は、各施設長(またはその指示を受けた部署の長)に対象となるものの条件を明示してその選定を依頼する、便宜的抽出とした。2) 調査実施方法:研究者が作成した自記式質問紙を用いた郵送調査法とした。施設毎に送付する調査用紙数は、当該施設の看護職員数に準じて決定した。 4. 結果:全国57施設に、1823部の調査用紙を配布し、570部の回収を得た(回収率31%)。
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