研究課題/領域番号 |
15K11622
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三好 陽子 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80746967)
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研究分担者 |
吉岡 伸一 鳥取大学, 医学部, 教授 (00191544)
森實 修一 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (50419496)
武中 篤 鳥取大学, 医学部, 教授 (50368669)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 限局性前立腺がん / ロボット支援前立腺全摘除術 / 放射線療法 / 健康関連QOL / SF-8 / 治療選択 / 意思決定支援 |
研究実績の概要 |
研究目的は、わが国の限局性前立腺がん患者における健康関連quality of life; HRQOLについて、ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術群; RARPと放射線療法群(強度変調放射線治療;IMRT, 永久挿入密封小線源療法;LDR, LDR併用外照射療法;LDR+EBRT)の健康関連quality of life(HRQOL)をMedical Outcome Study 8-Item Short-Form Health Survey; SF-8を用いて遡及的に比較することであった。 フォローアップは2016年12月までの24か月間で行われた。RARP群227人、放射線群177人(強度変調放射線治療67人、永久挿入密封小線源療法82人、併用28人)に対し、SF-8を用いたアンケート調査を治療前、および治療後1、3、6、12、および24か月に実施し、統計学的に比較検討した。 フォローアップ期間にドロップアウトがなかったのは、RARP 154人、IMRT41人、LDR35人およびLDR+EBRT 18であった。SF-8の身体的サマリースコアの中央値は、RARP群の術後1か月放射線療法群よりも有意に低かったが、3か月後では同等となり、6、12、24か月では有意に高かった。精神的サマリースコアの中央値も同様に、RARP群の術後1か月は放射線療法群より有意に低く、3ヵ月後ではその差は消失し、その後フォローアップ期間において、治療法による差はなかった。限局性前立腺がん患者のHRQOLは、RARP術後1か月は放射線群より劣っていたが、術後3か月で回復し、6、12、24か月後では放射線療法群より優れていたことを示唆した。 これらの知見は、前立腺がん患者にとって治療法選択時の貴重な判断材料となるだけでなく、医療者側にとっても意思決定支援に役立つことが示唆された。
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