研究課題/領域番号 |
15K11637
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
宮園 真美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (10432907)
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研究分担者 |
村田 節子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (00239526)
樗木 晶子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60216497)
橋口 暢子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80264167)
木下 由美子 九州大学, 医学研究院, 講師 (30432925)
前野 有佳里 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20432908)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 温熱刺激 / 慢性疼痛 |
研究実績の概要 |
研究目的:本研究は地域社会において慢性疼痛を持つ対象への温熱療法を活用した寝たきり防止看護プログラムの開発を目的としている。背景と研究計画:温熱刺激の活用によって見込まれる血管拡張作用、血管内皮機能の向上を看護へ応用する研究の一環である。これまで、全身サウナを使用した健常者の生理心理反応、部分サウナを使用した慢性心不全患者の睡眠と血管内皮反応、部分サウナを長期使用した高齢女性の睡眠と血管内皮反応、について研究結果を得てきた。そこで、本研究では、それらの結果を応用して、温熱刺激がトリガーポイントを温め慢性疼痛を軽減することによって寝たきり防止を目指している。平成27年度は、人工膝関節術後患者12名を対象に、自宅で部分サウナを使用することによって変形性膝関節症(以下膝OA)患者のQOL評価尺度である日本版膝関節症機能評価尺度(以下JKOM)と睡眠評価尺度(セントマリー病院睡眠質問票(以下、SMH)を使用して評価を行った。その結果、退院後1カ月で膝関節症機能評価点数の中でも慢性疼痛とQOLに関する点数の上昇傾向が認められたものの対象群との明確な差異が認められず、睡眠状況への変化も認めなかった。そこで当該年度は症例数を獲得するため、引き続き同様の方法で調査を継続し症例数を20例まで獲得した。現在、人工膝関節術後の疼痛の時間的変化およびサウナ群と比較群の疼痛及びADL点数を中心に比較検討中であり、次年度にはプログラム開発に関する学会、論文発表を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協力施設を通して昨年度に引き続き継続して20名の対象者へ部分サウナを冬季2か月間実施した。2か月間の質問紙調査(JKOM、SMH)を実施し終了した。追加データを入力し分析中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、データ分析結果を踏まえて学会・論文発表を実施すると同時に、温熱刺激による看護プログラムとして、膝関節置換術後患者への冬季の継続的な部分サウナ使用の提案を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、執行予定であった論文作成用の研究図書購入額が予定より少なかったことと、英語論文作成が平成29年度まで遷延してしまい、その準備費用と諸経費を平成29年度に執行したいと考えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度のみ所属先が変更となり他研究代表者の雇用となるため研究代表者としての経費執行に関しては雇用先との調整が必要である。最終年度の学会、論文発表に向けての準備費用とプログラム作成、報告に関する旅費、事務経費に使用予定であるが、随時、所属研究機関と確認しながら可能な範囲で執行していく予定である。
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