研究課題
本研究は、地域の文化的特性を取り入れた看取りの概念を明らかにし、沖縄独自の死の文化を基盤とした終末期がん患者の看取り教育プログラムの開発を目的としている。令和4年度は、沖縄県内のがん拠点病院と緩和ケア病棟に勤務する看護師626名を対象に問紙調査を実施した。回答した者は484名(77.3%)で、回答拒否を除いた有効回答は429名(68.5%)であった。看護師経験年数の平均値は16.7年で、標準偏差は10.6年であった。患者が亡くなった際に、霊魂がその場に残らないようにヌジファ(抜霊)を希望する遺族がいることを知っていると回答した者は256名(59.7%)であった。そのうち、実際にヌジファの儀式を容認したと回答した者は222名(51.7%)、容認しなかったものは30(6.9%)であった。ヌジファを容認した理由として、遺族のグリーフケアにつながると回答した者が229名(53.3%)、家族のやり残しの軽減につながる221名(51.5%)、遺族のグリーフケアにつながる229名(53.3%)。死者の弔いになる208名(48.4%)、死の風習を受け継いでいく182名(42.4%)であった。沖縄の死の風習やそれを行う意味などの勉強会への参加希望については、参加したいと回答した者が147名(35%)、参加したくないと回答した者41名(9.8%)、どちらともいえない232名(54.1%)であった。勉強会参加を希望する理由は、ヌジファの儀式を知りたい、ヌジファは実際に容認しているが、意味もきちんと知りたい、風習を受け継ぎたい、遺族のグリーフケアにつながるなどの理由であった。参加したくない理由は、もともと知っている、宗教的なこと、興味がないであった。どちらともいえないと回答した理由は、多忙である、コロナ禍では病院で対応できない、興味がない、家族がやっていたのを見たので知っているから等であった。
すべて 2022
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BMC Health Services Research
巻: 22 ページ: 1-17