研究課題/領域番号 |
15K11642
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
渡邊 知映 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (20425432)
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研究分担者 |
清水 千佳子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (10399462)
中村 清吾 昭和大学, 医学部, 教授 (70439511)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | がん看護 / 乳がん |
研究実績の概要 |
本年度は昨年度から継続して、がんの臨床に携わる看護師を対象としたがん患者の妊孕性支援スキルアップセミナーを開催した。研修会受講者に対して、がん患者からの妊孕性に関する相談を受けた経験の有無とその内容、妊孕性支援をするうえで困難に感じていることについてアンケート調査を行った。アンケート結果より、実際には看護師が補助説明を行ったり、産婦人科医・泌尿器科医等と連携を図りながら、患者支援を行っている現状が明らかになった。自由記述からも心理支援の難しさや生殖医療との連携の難しさ等を看護師は感じていることが明らかになった。さらに、看護師の感じている困難さには、知識不足を挙げており、がん治療と生殖毒性に関する知識や生殖医療の知識だけではなく、がんと診断された患者と家族の心理面および、予定されているがん治療の意義と妊孕性への影響を理解したうえで、具体的なアプローチの実際に関する教育プログラムの開発の必要性が指摘された。 研修会の内容については、受講者全員からとても有効だった・有効だったとの評価を得た。 若年乳がん患者に対するがん治療開始前妊孕性対策と治療後の女性性に関する心理・社会的要因の変移に関する多施設研究の計画を進めた。インベスティゲーター・ミーティングを2回開催し、プロトコールの改訂、各施設の倫理審査の調整を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多施設研究の実施が予定よりも遅れている。研究フォローアップ期間を10年間に延長したことによるプロトコールの見直しに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度中に目標症例300例の登録を目指している。参加施設は9施設を予定している。 来年度は、登録症例について乳がん治療前妊孕性温存療法の実施状況と関連因子の検討を行い、学会発表および論文作成を行う予定である。 さらに、がん患者の妊孕性支援に関する看護師向けの教材の開発を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
多施設登録試験の実施が送れているため、登録事業に伴うデータマネジメント作業費を今年度支出することができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、North Western大学内oncofertilityコンソーシアムでの研修を予定していることで旅費の支出を計画している。 また、来年度は登録・集計に関する人件費の支出を計画している。
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