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2015 年度 実施状況報告書

脳卒中回復期リハビリテーション意欲の改善には背部マッサージの快感情は有効なのか

研究課題

研究課題/領域番号 15K11652
研究機関大和大学

研究代表者

永田 華千代  大和大学, 保健医療学部, 准教授 (80369123)

研究分担者 嶋田 健男  大和大学, 保健医療学部, 大和大学保健医療学部学部長 (00310780)
鴻上 啓次朗  大和大学, 保健医療学部, 大和大学保健医療学部学部長補佐 (00760878)
伊東 祐之  久留米大学, 医学部, 客員教授 (80037506)
中野 正博  純真学園大学, 保健医療学部, 特任教授 (70141744)
赤池 紀生  熊本大学, 薬学部, 客員教授 (30040182)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード背部マッサージ / 快刺激・快感情 / 脳卒中回復期リハビリテーション意欲 / 血清コルチゾール
研究実績の概要

健康な対象者に「背部マッサージ」の有効性の検討を行った後に、脳卒中回復期患者への「背部マッサージ」による「快刺激」「快感情」が対象者のリハビリテーション意欲の向上にどのように効果をもたらすのか検討することを本研究の目的とする。
本年度は「背部マッサージ」の有効性を確認するために、健康な人へどのように影響するのか検討した。私たちは、肩こりや腰痛を持った対象者にストレスの客観的な評価として血清コルチゾール測定、生体組織の硬度を評価する僧帽筋の筋硬度計測、皮膚血流量状態評価、主観的な評価としてVAS(Visual Analog Scale:対象学生の心理的反応を測定するスケール「気持ちがとっても不快」を「10」、「とっても気持が快い」を「1」とした指標)で検討した。その結果、以下の内容が明らかとなった。
1.血清コルチゾール値とVAS(Visual Analog Scale)では、背部マッサージ前後にそれぞれの値が有意に低下した。2.僧帽筋の筋硬度測定を用いた評価方法でも、背部マッサージ実施前後に変化が見られた。3.皮膚血流量測定値では、背部マッサージ前後の有意さは見られなかった。4.血中乳酸値の測定では有意さは見られなかった。
「背部マッサージ」は、血清コルチゾール値とVAS(Visual Analog Scale)僧帽筋の筋硬度値に低下がみられ、「背部マッサージ」が「快刺激」と「快感情」へとつながることを明らかにした。意欲向上については、アンケートのデータ分析中であるが、「背部マッサージ」後、前向な心理的傾向がみられている。今後、脳卒中回復期リハビリ―テーションに取り組む対象者に「背部マッサージ」の「快刺激」「快感情」が、リハビリテーション意欲にどのように関連してくるのかその準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、当初予期していなかった健康な人を対象に「背部マッサージ」の有効性について検討した。現在、「背部マッサージ」を用い脳卒中回復期患者のリハビリテーション意欲に関連した臨床研究への準備中であり、目的達成に向けて順調に研究に取り組むことができている。平成27年度の計画の変更により当該助成金が次年度使用額へと生じた。使用計画としては、臨床でのデータ収集、そのための費用、アンケート調査の実施および学会発表や論文投稿として使用する予定である。

今後の研究の推進方策

本研究は、「背部マッサージ」を用い脳卒中回復期患者のリハビリテーション意欲に関連した臨床研究である。脳卒中後遺症の患者をリハビリテーションに意欲のある者とない者の2グループに分け、それぞれに対して背部マッサーを行い、リハビリテーション意欲にどのような変化が見られるかを分析する。脳卒中回復期患者の多くの対象者は、「抗凝固薬」を内服しており、採血後皮下出血の可能性が高い。評価指標としては、血液データではなく尿を採取したデータ項目に変更する。

次年度使用額が生じた理由

本年度、当初予期していなかった健康な人を対象に「背部マッサージ」の有効性について研究を行ったが、すでにデータ収集は終えており、当該助成金の未使用額が生じた。本年度の研究で「背部マッサージ」の効果が明らかになったので、次年度の臨床研究は、脳卒中回復期リハビリテーションに取り組む意欲のある者とない者の2グループに分け、それぞれに対して背部マッサーを行い、リハビリテーション意欲にどのような変化が見られるかを分析する。本年度と次年度の当該助成金全額を使用する予定である。

次年度使用額の使用計画

1.基礎的研究として、脳卒中後遺症のしびれやこわばり感の不快な感覚をもつ患者に背部マッサージ、安静、普段の日常生活活動を行う。この異なる3 つの測定条件下(背部マッサージ・安静・普段の日常生活活動)で尿中ドーパミン・セロトニン等の生理学的指標を測定し、同時に主観的な快・不快スケール指標を適用することにより、背部マッサージによる快感情の高揚度を明らかにする。
2.臨床看護への応用として3 つの測定条件下での快感情の働きかけがリハビリテーションに取り組む意欲改善につながるのか生理学的指標や心理学的指標を用いて明らかにする。また、快感情が高まることは、活動意欲に影響することから、リハビリテーション中の行動にどのように影響するのか活動量計や歩行数などの身体活動から明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Back Massages on Stress Observed in Students Preparing for the National License Examination2017

    • 著者名/発表者名
      Hanachiyo Nagata, Yushi Ito, Masahiro Nakano, Masasuke Takefu, Norio Akaike
    • 雑誌名

      Health

      巻: Vol.7 No.4 ページ: 430-438

    • DOI

      10.4236

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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