研究課題/領域番号 |
15K11656
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 真理 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70610210)
|
研究分担者 |
山本 弘江 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80251073)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | アタッチメント・スタイル / 両親学級 / 産後うつ病 |
研究実績の概要 |
1.文献検討について 産後うつ病の罹患率は先行研究から出産した母親の13%にあると報告されている。母親が産後うつ病に罹患した場合、そのパートナーもうつ病のリスクが高いことが予想される。本研究では、過去15年分の出版された英語論文を対象とし、①夫婦を対象にした産後うつ病の予防プログラムで、②母親の妊娠期に介入を実施しその効果を検証しているもののレビューを行った。共同研究者と検討し、プログラムの内容についての詳細の記述のあるものの共通概念の抽出した。詳細について論文では述べられていないものについては、著者に問い合わせるなど、さらにリサーチを実施し、コンテンツを検討した。レビューの結果は5本の論文が対象となった。5本のうち2本は妊娠期に介入するプログラム、3本は妊娠期から出産後まで複数回、介入するプログラムであった。いずれの研究も介入の効果に関する測定は母親を対象としたもののみであり、今後は父親への効果についても検証することの必要性が示唆された。 研究結果については12月に日本看護科学学会の英語セッションにおいて、発表した。
2.夫婦へのプログラム実践者(カナダ)との打ち合わせ 国際家族看護学会において、パートナー、または、夫婦に対して実施されているプログラムの開発者である、DeMontigny博士との打ち合わせを実施した。現在、DeMontigny博士は、妻が産後うつ病に罹患している際に同時に夫がうつ病のリスクが高いことをフォーカス・グループ・インタビューの結果、明らかにした(未発表)。しかし、その程度を測定する尺度、あるいは、妻の妊娠期に夫側のうつ病のリスクを予測する尺度がないため開発中とのことであった。今後、本研究での研究対象者に尺度を用いることで、国際比較も視野にいれようと検討を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検討については研究者チームにおいて共同し、まとめることができた。 しかし、諸事情から、実践の視察およびフォーカス・グループ・インタビューを実施するための調整ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は27年度に実施予定であった妊婦のパートナーに対するフォーカス・グループ・インタビューを行い、看護介入プログラムのプロトタイプを開発予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施予定であった、フォーカス・グループ・インタビューの実施費用として計上していたが、実施に至らなかった。文献検討や海外の研究協力者との研究内容検討に注力したため、そのようになった。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に、フォーカス・グループ・インタビューを国内の複数箇所で実施する予定であり、そちらの実施費用として使用する予定である。
|