研究課題/領域番号 |
15K11665
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
川城 由紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (20337108)
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研究分担者 |
石井 邦子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70247302)
宮宗 秀伸 東京医科大学, 医学部, 講師 (80422252)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 更年期 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
今年度は、更年期女性の酸化ストレス状態に関連する要因として測定する、ビタミンC、ビタミンE、高感度C反応性蛋白の本調査のプロトコール確立に向けて、予備的な条件検討を行った。 研究参加に同意が得られた研究対象者の上腕の皮静脈より採血を行い、採血後速やかに遠心分離により採取した上清と、採血後3時間冷蔵保存後に遠心分離により採取した上清における各物質の濃度を統計学的に比較した。測定は専門の測定機関に委託した。 対象者は20歳代~50歳代の女性13名であった。ビタミンC、ビタミンEともに、採血直後と採血3時間後の値に有意差はみられなかった。高感度C反応性蛋白については、値に2倍以上の違いが見られた1名のデータを除いて分析し、採血直後と3時間後の値に有意差は見られなかった。これらの結果から、採血後の生体試料は3時間までは冷蔵保存が可能であることが明らかになった。 また、研究中間年度の本年度と初年度となる昨年度の研究成果について検証を試みた。昨年度の研究遂行では、血清中エストロゲンは、少なくとも血液採取後9時間までの冷蔵保存によっても濃度が測定可能であるとされる結果を得ている。一方で、今年度の結果ではビタミンC、ビタミンE、高感度C反応性蛋白に関しては3時間内の冷蔵保存が可能となる知見を得ている。これらの結果を総括すれば、酸化ストレス状態を論じる際に必要となる生体試料については3時間内の冷蔵保存を上限として、研究の遂行が肝要と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度、平成28年度において予備検討を行った。平成29年度の本調査への準備が整ったことから、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
対象者のリクルートを開始し、予備検討の結果を踏まえた研究方法で本調査を遂行する。結果を分析し、研究成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費申請の時点では初年度から対象者への調査を実施する計画であったが、生化学的検査について予備検討が必要であることがわかった。そのため、平成28年度も生化学的予備検討を行ったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費:酸化還元分析キット、エストロゲン測定キット、実験用消耗品、実験室整備、文具、書籍・文献等に使用する。旅費:調査や学会参加に伴う交通費に使用する。人件費・謝金:調査協力者や研究補助者への謝金に使用する。その他:専門の測定機関へ委託する生化学検査、個人結果返却等の郵送代に使用する。
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