研究課題/領域番号 |
15K11673
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
梅野 貴恵 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (70382447)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 更年期 / エクオール / 脂質 / 糖 / 骨代謝 / 授乳経験 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、授乳経験のある更年期女性の糖・脂質代謝亢進予防のために大豆イソフラボン活性代謝物(エクオール)サプリメント摂取の効果を検証することである。また授乳期女性のエクオール産生能や脂質代謝も合せて調査し、授乳期の脂質代謝状態と更年期の脂質代謝状態との関連を推察する。これまで一般の中高年女性の糖・脂質代謝へのエクオールの効果は検証されておらず、予防的な摂取を促進する一助となることが期待される。 平成29年度は、平成27年度から実施している調査を継続実施した。調査は、エクオールサプリメント摂取開始前に尿中エクオール、採血により血中脂質、HbA1c、血中骨代謝マーカー等を測定した。また、SMI(Simplified Menopausal Index)、年齢、月経状態、児への栄養法や運動習慣などの調査票と食物摂取頻度調査票(FFQ)、活動量の調査を行った。エクオールサプリメントを12週間摂取後に、採血と活動量、調査票による調査を再度実施した。平成29年10月に第58回日本母性衛生学会で閉経後対象者の結果の一部を報告した。報告内容は、エクオール産生者は対象者23名のうち10名(43.5%)で、本邦の先行研究の50%より少なかった。中性脂肪については、エクオール摂取前は授乳群よりも非授乳群の方が高く、エクオール摂取後は非授乳群のみ低下していた(p=0.096)。SMIは両群ともにエクオール摂取前より摂取後に低下傾向で、授乳群の66.7%、非授乳群の71.4%が低下していた(p=0.06)授乳経験の有無にかかわらず、閉経後女性がエクオールを摂取することは、脂質代謝や更年期症状を改善する可能性が示唆された。 また、授乳期女性のエクオール産生能や脂質代謝の調査を実施するために、大分県立倫理・安全委員会の審査を受け、対象者のリクルート及び調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
更年期女性の調査は終了し、データを回収することができた。授乳期女性の調査についての研究計画を本学倫理・安全委員会に申請し、承認を得て調査の開始を行えた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、更年期女性46名の結果の解析と論文作成、授乳期女性のデータ収集と分析、まとめを行う。また、成果を関連学会等で報告する予定である。
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