本研究課題は、不妊患者カップルが通院開始後早期に不本意に通院を中断するケースを減少させることを目的とし、文献検討及び実態調査から、不妊外来を初めて訪れたカップルへのケアモデルの開発をめざすものである。研究期間は当初、平成27年度~平成31年度の5年間を予定していたが、諸事情により令和3年度までの7年間に及んだ。 まず始めに、文献検討および学術集会等への参加による情報収集から不妊患者カップルへの初回受診時ケアの実態調査を行うための準備を行い、その情報収集の結果から「不妊外来における初回受診カップルへのケアの実態調査(参加観察)」で使用する参加観察記録のフォームを作成した。このフォームを資料に含めて研究計画書を作成し、研究代表者の所属機関の倫理委員会に提出して承認された後(産業医科大学倫理委員会、受付番号H29-014)、3施設において6事例の調査を実施した。平成30年度に本研究課題に関連する学会の学術集会を研究代表者が学術集会長として開催した際には研究概要を周知する機会とし、併せて研究代表者、連携研究者らが国内外の学術集会等に参加することで、より広い範囲からの情報収集にも努めた。その翌年度には、次に計画予定の実態調査(質問紙調査)につなげるべく、実態調査(参加観察)の成果報告の学会発表を行った。その成果については現在投稿論文を準備中である。 なお、この研究課題への取り組みと並行して、本研究課題に先駆けて行った不妊外来の初診患者カップルへの調査結果について2件の論文を投稿し、平成28年、平成29年に関連学会の学会誌に掲載された。
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