研究実績の概要 |
近年,産科領域において出生前診断技術が大きく前進し,様々な材料を用いて妊娠中に胎児の疾病を診断することが可能となった. 今後,妊娠中に胎児の形態異常,機能異常,染色体異常,遺伝性疾患を診断される妊婦は急速に増えることが予測され,胎児異常を診断された妊婦の支援体制の構築が急がれる. しかし,当事者のみならず看護職の両者にコンセンサスの得られた具体的支援の方法論は未だ開発されていない.そこで,胎児異常を診断された妊婦への具体的支援について,支援を実施する専門家にコンセンサスの得られた方法論を開発するための調査を開始するにあたり,国内における日本助産学会,日本遺伝看護学,日本遺伝カウンセリング学会へ参加し,研究協力者に関する情報収集を実施した.また、関係医療機関の遺伝看護実践者に対して、調査協力依頼に関する可能性について聞き取りを行った。平成28年度には,一次調査を予定している.この調査は総合周産期母子医療センター・地域周産期母子医療センターの産科病棟助産師・産科外来助産師・NICU助産師を登録し, 登録された研究対象者に対して,「胎児異常を診断された妊婦が妊娠を継続し出産,育児へ向かうのに必要な助産支援」に関して面接調査を行うものである.現在は,所属機関の倫理審査の承認を受けることができたため,先に実施した聞き取りをもとにしながら、研究対象者の登録のために施設協力依頼を実施している段階にある.
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