研究課題/領域番号 |
15K11695
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (20285448)
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研究分担者 |
広瀬 たい子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10156713)
大久保 功子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20194102)
鈴木 香代子 東京有明医療大学, 看護学部, 助教 (50372876)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 早期育児支援 / 妊娠期 / ファミリーパートナーシップ |
研究実績の概要 |
わが国における社会構造の変化や育児環境の多様化に伴い、妊娠期からの早期支援は児童虐待やネグレクトを予防するために重要である。医療機関における取り組みに関する研究は、助産師による専門外来やNICUの看護師による退院支援が主であり、同一の看護師による産前産後の継続した支援に関する研究はみられない。予防的介入として医療機関における産科と小児科とを繋ぐ支援が求められ、切れ目ない早期育児支援システムの確立が必要とされる。 欧州で普及しているファミリーパートナーシップモデル(Family Partnership Model、以下、FPM)に基づくFPM介入モデルを用い、妊娠期から育児期までの切れ目ない支援を医療機関で実施し、その有効性について検討することを目的とした。早期支援が有効に機能するためのモデルを提示し、産前産後の継続した予防的介入の具体的方法を検討する。 平成27年度は、FPMに基づく妊娠期からの早期支援を実施するための準備として、プロモーショナルガイド(Promotional Guide、以下、PG)の産前ガイドの日本版リーフレットを作成した。FPMの開発者の一人である英国の研究協力者のDr. Crispin Day氏を招き、リーフレットは日本語へ翻訳した後、バックトランスレーションを作成し確認を依頼した。また、研究代表者が講師を務めた、看護師・保健師・助産師を対象とした日本語版PG講習会を見学してもらい、講習会運営や講師としての進め方のフィードバックを得た。介入を実施する看護職を対象とした講習会開催の準備のための示唆が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FPMに基づく育児支援を実施するための準備として、日本版ガイドラインを作成するという目的は、日本語版リーフレットを作成し概ね達成された。研究協力者のDr. Crispin Day氏を招き、研究打ち合わせを行い、今後の方向性について話し合った。介入研究の遂行について、臨床に成果をフィードバックできるよう、まずは現場の看護職の育成が重要であることを確認した。講習会企画のための具体的な準備をしたが、介入を実施する看護職を対象としたPG講習会開催は未定の状態である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床現場での研究実施のための準備を行う。研究協力者のDr. Crispin Day氏との研究打ち合わせにより、介入研究の準備を慎重に行うことが確認された。平成28年度は介入準備のための研究として産科外来でのデータ収集を行う予定である。また医療機関における看護職を対象としたPG講習会開催のための準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
産科外来におけるデータ収集や臨床の看護職を対象とした講習会開催が平成28年度に延期された。研究協力者のDr. Crispin Day氏との研究打ち合わせにより、介入研究を慎重に行うことが確認され、今後は介入準備のための研究遂行を予定している。
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次年度使用額の使用計画 |
必要経費として、パソコンなどの環境整備、消耗品費ではアセスメント尺度および用具、質問紙尺度や書籍の購入を予定している。国内外旅費は、研究打ち合わせの他、学会発表など成果報告のために交通費が使用される。謝金はデータ入力・整理などの研究補助の雇用を予定している。
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