臨床判断モデルを踏まえて、研究協力者である東京医科歯科大学医学部附属病院小児科病棟看護師とともに小児がん救急に対応できる看護師の育成を目的とした教育プログラムを作成し、実施した。本プログラム作成のプロセス、教育効果は、2019年度に学会発表を行う予定である。 作成したプログラムは、意識状態の確認、呼吸状態の確認といった看護技術に関する部分は汎用性が高く、一般に活用可能と考えている。しかし一方で緊急時の連絡経路・手段、役割分担と言った点は施設特性が強いため、施設特性を踏まえた修正が必要である。これらの施設特性が強い項目を明文化し、特性に最適化したプログラムを作成するための方法論を明らかにする必要があった。汎用性が高い内容と合わせてパッケージ化することが可能であると思われるが、研究期間終了までに完成に至らなかった。 また、今回のシミュレーション教育プログラム作成にあたり、プログラム作成方法として「インストラクショナル・デザイン」を活用したため、その内容と教育プログラム作成の実践例を商業誌に連載した。 今後の課題として、作成した小児がん救急看護教育プログラムのパッケージ化とその公開方法の検討、教育者育成を目的とした研究が必要であると考えており、今後新たな研究課題として取り組む予定である。 また、2019年発刊予定の「小児がん看護テキストブック」の小児がん救急の項を担当し、本研究の成果を踏まえて執筆を行った。
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