研究課題/領域番号 |
15K11699
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
北野 華奈恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (60509298)
|
研究分担者 |
礪波 利圭 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10554545)
出村 佳美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (30446166)
上原 佳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (50297404)
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
安倍 博 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80201896)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | タクティールケア / 睡眠 / 補完代替療法 / 小児 / 発達 |
研究実績の概要 |
本研究は小児を対象に比較対象実験研究を実施し、補完代替療法であるタクティールケアの睡眠に対する効果を生理的・心理的指標により、急速的効果および緩慢的効果について検証するものである。急速的な効果は日中のタクティールケア実施中の睡眠状況、緩慢的な効果は実験当夜の睡眠状況として検証を行った。本研究によりタクティールケアの小児に対する有効性が認められれば、睡眠障害を有する小児の補完代替療法にもなり得るため、臨床での活用に繋げていき、小児の健やかな発達およびQOLの向上が期待されるものである。 本年度は実験終了後の29名のデータに対し、生理学的指標について分析を進め、前年度の心理的指標の実験結果と合わせ考察・まとめをし、論文を執筆した。急速的な効果を測定する生理学的指標は、脳波と自律神経活動で行い、緩慢的な効果の測定は、腕時計型体動センサーで行った。 29名のうちタクティールケアを実施した群を[tactile]14名、タクティールを実施しなかった群を[rest]15名で比較分析した。結果、生理的指標ではタクティールケア実施中の睡眠状況、夜間の睡眠状況ともに[tactile]と[rest]の間に有意差はみられなかった。しかし、一次集計の結果では、夜間の睡眠効率で[tactile]は89.1±4.5%、[rest]は86.9±4.1%であり、[tactile]の睡眠効率の方が多かった。心理学的指標では、夜間の睡眠状況において、起床時に睡眠の質を問う尺度を測定した結果、下位尺度の「入眠と睡眠維持」で[tactile]の方が[rest]より有意に増加した(p<.05)。また、有意差はなかったが、[tactile]の方が[rest]より「起床時眠気」が減少し、「疲労回復」が増加しており、[tactile]による睡眠の質の向上が図られたと推察された。これらの内容を論文として執筆した。
|