研究課題/領域番号 |
15K11700
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
市川 元基 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60223088)
|
研究分担者 |
平林 優子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50228813)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 近赤外線分光法 / 脳酸素代謝 |
研究実績の概要 |
信州大学医学部附属病院産科婦人科病棟において正期産で出生し、低出生体重児ではなく、妊娠・分娩時に合併症のなかった2名の新生児の母親に対して研究について書面を用いて説明を行い、同意を得た。同意が得られた母親の新生児で日齢3日目以降において母乳哺乳開始前・母乳哺乳時にパルスオキシメーター(コヴィエルジャパン製ネルコアN-560)を左足底部に、近赤外線分光装置(浜松ホトニクス製NIRO200-NX)のモニタープローベを前額部に装着して、新生児の心拍数、SpO2値、前頭部の酸素化ヘモグロビン組織濃度、脱酸素化ヘモグロビン組織濃度、総ヘモグロビン組織濃度の測定を行った。新生児の皮膚は脆弱であり、近赤外線分光装置のモニタープローベの装着により発赤やテープかぶれが生じる恐れがあったため、前もって児の皮膚に保湿クリームを塗ることと、粘着テープの粘着性を弱める必要があった。また母乳哺乳開始前は赤ちゃんが泣きだすことが多く、モニタープローベの装着に手間取ると、データ収集が難しくなることも判明し、モニタープローベの装着について習熟を図る必要があった。前額部のモニタープローベは左右2箇所に装着することが一般的ではあるが、新生児の場合NIRO200-NXのモニタープローベを前額部で左右2箇所に装着することは困難であり、前額部中央の1箇所に装着することにした。新生児の母乳哺乳前後の計測データを収集することができ、来年度以降、収集したデータの解析、新生児のデータの蓄積を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新生児にパルスオキシメーター、近赤外線分光装置のモニタープローベを装着し、母乳哺乳前後の計測データを収集することができ、研究が計画通り進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
信州大学医学部附属病院において正期産で出生し、低出生体重児でなく、妊娠・分娩時に合併症のなかった新生児の母乳哺乳前後の計測データを収集すること続け、新生児の心拍数、SpO2値、前頭部の酸素化ヘモグロビン組織濃度、脱酸素化ヘモグロビン組織濃度、総ヘモグロビン組織濃度の解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
NIRO200-NXの使用に伴う備品の整備、パルスオキシメーターの使用に伴う備品の整備、測定データ解析に必要なソフトや機器の購入が必要になる見込みがあり、繰り越しを行った。
|
次年度使用額の使用計画 |
NIRO200-NX、パルスオキシメーターの備品、解析ソフトや機器の購入を平成29年度請求額と合わせて行う。
|